【カイロ=大内清】ムバラク前大統領を退陣に追い込んだエジプトの反政府デモで、動員に大きな役割を果たした若者中心の民主化勢力「4月6日運動」が内部分裂を起こしている。「4月6日」は、「反ムバラク」の旗印の下、「小異を捨て大同につく」形でさまざまな考え方の人間を糾合してきた同国の民主化運動のシンボル的存在だったが、明確な「敵」を失い路線対立が噴出。求心力を維持できるか、岐路に立たされている。 分裂の直接のきっかけは、米紙ニューヨーク・タイムズが14日、「4月6日」が米政府の支援を受ける団体から資金や訓練を受けていたと報じたことだった。 この報道後、「4月6日」の一部メンバーが、「外国からの影響を排除する」として運動の創設者アハマド・マーヘル氏らの「除名」を発表。マーヘル氏らは報道内容を否定した上で、このメンバーらを「逆除名」した。 両者の関係がここまでこじれた背景には、運動の将来像をめぐる路線