[東京 29日 ロイター] 野田佳彦財務相が29日の民主党代表選で当選し、新首相の座を勝ち取った。財政再建への強い意欲は「逃げない政治家」としての安心感を誘うが、低下している日本の成長力を持ち上げる構想力の弱さが気になる。 成長力の強化と税負担の増大が両輪となって初めて財政再建は軌道に乗る。それにも増して未来の所得が増えるという希望を国民に示さなければ、増税に対する理解を得るのは難しいだろう。経済成長への期待感と負担増のバランスを図る努力が、野田新代表に求められる。 <ゼロ成長なら債務返済できず> 野田氏は新代表選出後の会見で、東日本大震災による原発事故への対応や、震災被害の復旧、復興に全力で取り組む方針を強調。合わせて1ドル=76円台の円高が続き、輸出企業の業績を圧迫している足元の経済情勢を乗り越えるための対応を着実に果たしていく方向性を示した。 だが、代表選における経済政策の説明の中で