ぼくが職場をクビになって放り出されたことを、ネットニュースで、しかも自分が作った会社の後継社長経由で知らされた父が、びっくりしてぼくに電話をかけてきた。 電話で簡単に経過を説明すると、「そうか。わかった。お前のやることだから信じてる」と言って納得したふうで電話を切った。ぼくが何か不祥事をしでかしてクビになったのではなく、幹部ににらまれて追い出されたということを直感的に理解してくれたのである。 保守的な父であるが、ぼくが成人式の代表を市によって一方的におろされたときも、市のやり方に憤懣やるかたないという態度を表明してくれたのが父だった。 それでも近いうちに実家に帰ってちゃんと説明しようとは思ったが、その前に手紙を書いて出した。 その手紙の中でぼくは経過を次のように書いた。 去年の2月に、「組織内選挙でトップを選ぶべきだ」と主張する本を出したMさんが、組織トップの逆鱗に触れ、組織を追放されまし