京都府宇治田原町にある1700万〜1600万年前(新生代)の地層から、同時代としては世界的にも稀なほど残存状態の良好なイルカの化石が発見された。当時の沿岸環境に適応した原始的なイルカの一種で新種と見られ、研究を続けている京都大学などのグループは、今後さらに詳細な調査を続けて、種の特定などを行うとしている。 平成27年2月に地元の古生物研究家で会社役員、馬越仁志さん(63)が道路工事現場で腰椎を発見。連絡を受けた京都大学と益富地学会館(京都市上京区)の研究者らが合同で発掘調査を進めた結果、くちばしが30センチ以上もあり、イルカ類としては原始的な特徴を示す絶滅グループの一種であることがわかった。 その後の調査で頭蓋骨やあご、胸椎、肋骨などが多数見つかり、全長は約4メートルの大型種だったことも判明。頭蓋骨などは一部壊れていたものの、長い下あごの骨は完全に残っており、分類上の重要な手がかりとなる。