「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろおかしく書く」。そのモットーを読者にこれでもかと突き付ける新刊を、ノンフィクション作家・高野秀行さんが刊行した。タイトルは『幻のアフリカ納豆を追え! そして現れた<サピエンス納豆>』、4年ぶりの本格ノンフィクションだ。 過去の冒険において辺境で納豆を見てきた高野さんは、日本における「納豆をたべられるか否か」で外国人の<日本人度>を計るような風潮に疑問を抱いてきたという。納豆は本当に日本だけの伝統食なのか、今回、「納豆らしき発酵食品」があるという話を聞きつけ、旅立ったのが西アフリカだ。 納豆探検隊による数か国にわたる探索の中でも際立つのが、アフリカNo.1の美食大国セネガル。「納豆みたいなものがあるらしい。しかも名前は現地語で”ネテトウ”」…にわかには信じがたい噂を元に調査を開始すると、市場で当たり前のように売られる納豆から、