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ブックマーク / honz.jp (80)

  • 絶滅の最前線 『ねずみに支配された島』 - HONZ

    2億年前は「1000年に1種」の頻度だった生物の絶滅は、人間の歴史とともに飛躍的に増加し、今や「1年に4万種」という絶望的な領域に達してしまった。実は、ここ3000年に関して言えば、その大半は「島」で起きているという。 もちろん、多様な種の大量絶滅の原因は人間だ。しかし、島々で直接手を下しているのは、ねずみやねこなど、人間とともにやって来た動物たちである。船に乗って海を渡ってきた彼らは、上陸するやいなや稀少生物たちの命を脅かす「捕者」へと豹変した。 鳥類や爬虫類たちの卵とヒナはあっという間にねずみにべつくされて、固体数は激減してしまう。ウミスズメは後頭部に穴をあけられ、生きながらして眼球と脳みそをねずみにべられる。トリスタンアホウドリのひなは、尻を齧られて、何十匹ものねずみが体内に侵入、内部から喰い尽くされる。 さまざな固有種がこの世から消え、かろうじて生き残った種も絶滅の危機に瀕し

    絶滅の最前線 『ねずみに支配された島』 - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2014/06/21
    閉鎖環境下でのネズミは恐怖そのもの
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『腸よ鼻よ』11指腸 2018年09月29日 澄み渡る青い空と透き通るような海、白い砂浜のある南の島――沖縄。 この島に生まれ、蝶よ花よと育てられた1人の少女がいた。 彼女の名は島袋全優。 漫画家を志し、いずれは大都会東京での タワーマ...

    マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー
    kowyoshi
    kowyoshi 2014/06/21
    それは勘弁してくれ>紀里谷和明監督の『CASSHERN』や『GOEMON』の世界観がぴったりなので、実写化される際にはぜひ手掛けていただきたいものである
  • 『真実 新聞が警察に跪いた日』 - 栄光からの転落 - HONZ

    時代がいくら変わっても、新聞には変わらない役割があります。その重要な 一つが権力監視、権力チェックではないでしょうか。権力監視の力は弱くなってきたと言われていますが、読者のためにも権力監視の役割を放棄するわけにはいきません。北海道警察の裏金問題の報道は、まさにそうした、新聞来の役割を取り戻すための作業でした。 2004年10月、書の著者・高田昌幸氏が北海道新聞取材班の代表として、報道界最高峰と言われる新聞協会賞を受賞した時のスピーチである。このときの「北海道警裏金問題追及キャンペーン」は素晴らしい仕事であった。一連の調査報道は、このほか日ジャーナリスト会議大賞、菊池寛賞も受賞し、北海道新聞の勇名を日中に轟かせた。事件の取材においては警察との「友好関係」が欠かせない警察記者クラブの記者たちが、よくぞ踏ん張って戦ったものだなあと、私も当時感心した記憶がある。 かっこいいなあ新聞記者。頼

    『真実 新聞が警察に跪いた日』 - 栄光からの転落 - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『美味しんぼ』における山岡士郎が残した功績を考える (其の二) 2018年09月30日 『この記事を書いたのは誰だーーー!!』 どうもみなさんこんにちは。苦し紛れで書いた『美味しんぼ』レビューがなぜか、マンガ新聞の週間レビューランキングに入っていて驚いています。 しかしながら「なら、...

    マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー
    kowyoshi
    kowyoshi 2014/05/10
    エロス関係の規制がiPhoneよりAndroidの方がキツいのは意外だったわ>マンガボックス
  • オーパ!オーパ!!『新・世界怪魚釣行記』 - HONZ

    “芸は身を助ける”と言う。“好きこそものの上手なれ”の方が正しいか。ともかく、書を読みながらそんな格言が頭の中をぐるぐる回っていた。 リアル「釣りバカ日誌」である。ハマちゃんならぬタケちゃんがユーラシア・北米・南米・オーストラリア・アフリカをところ狭しと駆け抜け、未だ見ぬ怪魚を狙う。魚類ばかりではない。時には爬虫類を、時には哺乳類を、そして時には美女をも釣り上げるのだ。 すでに第一弾『世界怪魚釣行記』が4年前に発売されているが、今回は前著を凌ぐ。連れなかった魚たちにリベンジを試み、ほとんどが成功を収めている。 釣り旅の面白さは、何も怪魚だけではない。見知らぬ土地で水辺に辿りつくまでには、多くの人々との出会いや別れがある。トラブルに巻き込まれることもあるし、地球の裏側まで旅した挙げ句、釣れずに手ぶらで帰ってくることもある。思い通りにはならない、そんなすべてが釣り旅の魅力なのである。 まえが

    オーパ!オーパ!!『新・世界怪魚釣行記』 - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2014/04/22
    帯の推薦文が高野秀行だ
  • 『偉人は死ぬのも楽じゃない』 - HONZ

    書には、カエサル、コロンブス、マリー・アントワネット、アインシュタインといった、歴史にその名を刻む19人の偉人たちが登場する。しかし書がスポットを当てているのは、その武勇でも、才能でも、豪勢な暮らしでも、壮絶な運命でもない。書かれているのは、偉人たちが具体的にどのように死んだのか、という死に際の物語だ。それが1人物につき1章で、大体10ページくらいでまとまっているので、どこからでも手軽に読み始められる。これは、スキマ時間に読むには最適! と、はりきって言ってはみたものの、困ったことに内容はそんなに軽くない。ギロチンで飛び散った血で道が濡れてすべる、体を切り開いて大量の血や種々の液体をかき出す、遺体の頭蓋骨から脳みそだけを取り出してスライスする……。など、とにかく血なまぐさい話がゴロゴロ出てくるのだ。筆者自身、まえがきで、゛血なまぐさい話が苦手なら、このを読んではいけない゛と、警告を発

    『偉人は死ぬのも楽じゃない』 - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2014/04/22
    ベートーベンの死に際がエグい(でも、医学ってこういう積み重ねなんだよなあ)
  • 『トロイアの真実』 シュリーマンは何を見つけたのか - HONZ

    一冊のは、人の一生を変えてしまうほどの力を持つことがある。8歳のときに父親からプレゼントされた『子どものための世界の歴史』は、ハインリッヒ・シュリーマンの人生をハリウッド映画よりも劇的なものに変えてしまうこととなる。幼いシュリーマンは、そのに描かれていたトロイアが炎上する挿絵の虜になり、いつかその場を訪れることを誓った。ホメロスの『イリアス』にも描かれるトロイア戦争は空想の産物であると父親にいくらいわれても、シュリーマンは聞く耳を持たず、その争いを“史実”として信じていたという。 ビジネスマンとして大成功したシュリーマンは、子どもの頃の夢を忘れることはなかった。40歳を超えたシュリーマンは蓄えた資金を携えトルコへと発掘に向かい、気の遠くなるような作業の末、ついに夢物語と思われたトロイアを発見したのである。ロマンに満ちた彼の生きざまを知ったフロイトは、「シュリーマンこそもっとも羨むべき人

    『トロイアの真実』 シュリーマンは何を見つけたのか - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2014/04/22
    面白そう。そして、シュリーマンについての認識が昔と変わっているということも今知った。うーん、知識は停滞したらダメなんだなあ。
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    怖い…でも見たい!怪異と戦う弱小少年!『ミヤコ怪談』第9話前編 2018年10月01日 気弱な少年と不良少女のジュブナイルホラー。 虐められっこの草弥は、クラスメイトに脅されて、「タタリ場」への調査に向かうのだが、出会ったのは、世にも恐ろしい妖怪の数々だった… 「ミヤコ怪談」はメデ...

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    kowyoshi
    kowyoshi 2014/02/25
    懐かしい……
  • 『インダス文明の謎』 大河文明ではないインダス - HONZ

    世界四大文明といえば? 義務教育時代の記憶を掘り起こせば、センター試験で地理を選択した理系の私でも、エジプト文明、メソポタミア文明、黄河文明、そしてインダス文明の名を辛うじてあげられる。この“四大”文明というくくり方には様々な異論もあるようだが(2009年出版の『もういちど読む山川世界史』にも「四大文明」という表現はみられない)、大河に支えられて発達した初期文明としてこれらを認識している方は多いはずだ。 それでは、インダス文明について何か具体的にイメージできるものはあるだろうか。モヘンジョダロ、ハラッパー遺跡以外になにも思いつかなくても無理はない。下の数字はGoogle検索によるヒット件数(2013年11月10日現在)だが、インダス文明は四大文明の中で最低の数字を示す、日人にとって最もマイナーな存在といえるからだ。 エジプト文明:1,930,000 黄河文明:512,000 メソポタミア

    『インダス文明の謎』 大河文明ではないインダス - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2013/11/12
    面白そうな話。マスターキートンがまだ続いていたら、この話題も取り上げるかな(印・パ情勢と絡めて)
  • 『血盟団事件』 - 交わるはずのなかった二つの格差 - HONZ

    アルバイト店員が内輪向けのネタ画像をアップして炎上するなどの騒ぎが相次いでいる。この問題における一つの論点となっているのが、学歴の格差というものだ。「低学歴の世界」というセンセーショナルなフレーズとともに、多くの言葉が交わされているが、一昔前によく見かけた、都市と地方の格差という議論にもよく似た印象を受ける。 格差、就職難、ワーキングプア、社会からの孤立。これらの問題のルーツとなるようなものを辿っていくと、昭和初期に起きた一つの奇妙な事件に行き当たる。それが書で取り上げられている「血盟団事件」というものだ。 この事件は、日蓮主義者・井上日召に感化された若者たちが引き起こした連続テロ事件のことを指す。殺されたのは、元・大蔵大臣の井上準之助と三井財閥総帥の団琢磨。暗殺した小沼正、菱沼五郎の両者は、共に茨城県大洗周辺出身の幼馴染みの青年集団であり、日蓮宗の信仰を共にする仲間でもあった。 ※法廷

    『血盟団事件』 - 交わるはずのなかった二つの格差 - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2013/08/21
    そういえば「歴史群像」誌が一時期、昭和のテロ事件についての記事を載せ続けていたなあ…
  • 『妻と飛んだ特攻兵』 - 大空に舞った白いワンピース - HONZ

    ごく稀に、年に数回ほどだが、まるで導かれたかのように一冊のと遭遇することがある。書の強烈な磁力は、完成されたグラフィック広告のような表紙から発せられていた。 タイトルと写真を見た時の「この女性が!」という驚き。続いて副題の「8・19満州、最後の特攻」を眺める。「満州に特攻隊?」「8月19日って、終戦後のことなのか?」など、次々に湧き上がってくる疑問… まるで映画のエンディングのようなシーンから書は始まる。 ”「女が乗ってるぞ!」 滑走路を走る飛行機の後部座席に、さらさらと風になびいている長い黒髪が見えたのだ。そしてほどなく群衆は、あの白いワンピース姿の女性も忽然と姿を消したことに気づいたーーー。” 九七式戦闘機に乗っていたのは、ソ連軍戦車に特攻しようとする谷藤徹夫少尉(当時22歳頃)。そして見送りにきていたはずの・谷藤朝子(当時24歳頃)が、いつの間にか後部座席に。1945年8月1

    『妻と飛んだ特攻兵』 - 大空に舞った白いワンピース - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2013/06/21
    こういう話を、美談にはしたくないなあ
  • 『エンデュアランス号漂流』 - HONZ

    『エンデュアランス号漂流』 アルフレッド・ランシング(著) 山光伸(訳) 新潮社 (2001/06) 3月25日、今日は来であれば2年間通った早稲田ビジネススクールの卒業式であった。 式は震災を考慮して中止となったが、卒業という一区切りを記念して、恩師の内田教授がおすすめのをベースに書こうと思う。絶版という噂もあるが、そんなの誰も気にしないだろう。 書は、南極横断に挑戦した英国人探検家シャクルトンと28人の隊員の、1914年から17ヶ月以上にわたる南極圏漂流記である。一言でいって、事実とは思えない。 銃器は貴重だからと素手でアザラシを捕まえて生活し、流氷に圧し潰されて船が沈没してしまった後には、小舟のみで極寒を乗り切った。最後は、当にとんでもない状況になる。 この信じられない苦難を乗り越える物語において、大変に凡庸だけれど、下記の重要性が改めて感じられる。 ● 自信をもつこと ●

    『エンデュアランス号漂流』 - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2013/03/30
    高野さんがツイッターで海賊の初期費用は500万円と突っ込んでましたw
  • 『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』2013年のNo.1でいいでしょ! - HONZ

    早くも2013年成毛眞のおすすめNO.1が登場してしまった。今年はこれ以上面白いに巡りあうこともないであろうから、2013年の読みは3月吉日にて終了である。あとは惰性でつまらん仕事をするなり、散歩代わりのゴルフに出かけるなりして、ヒマをつぶすしかないであろう。じつに残念なことである。ともかく書はめったにお目にかかれない傑作なので買うべきです。以上です。それではみなさんさようなら。また来年お会いしましょう。 などと言ってられない事情がある。HONZを運営するためのサーバー費用を稼がねければならぬ。しかたがないので書の中身をちょっとだけご紹介してみよう。とはいえこのレビューを読む時間があったら、いますぐ屋に向かったほうが良いと思うのだが・・・ま、いいか、しつこいか。書は鳥類学者が無謀にも恐竜を語ったである。これではタイトルどおりだ。良くできた映画は説明が難しい。つまり全文を

    『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』2013年のNo.1でいいでしょ! - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2013/03/27
    まあ、昨今の恐竜博では鳥は恐竜の生き残りと言い切っているしね
  • 読めばわかる! 『謎の独立国家ソマリランド』 - HONZ

    高野秀行はいくつもの意味で天才だと思う。 アマゾンで高野の作品をみると、31商品ヒットし、そのほとんどが☆四つ以上、中には☆五つもある。そう、どの作品もおもしろいのである。親戚や親しい友人が20名くらいいて、星稼ぎしているという可能性は否定しきれないところではあるが、それはないということにしておこう。しかし、ご人がおっしゃるところ、あまり売れてないらしい。作品はつぶぞろいなのに売れてない。とりあえず、天才にありがちなことではないか。そう、ゴッホ並みなのである。 ☆を見たら面白そうだとわかるはずなのに読まれていなというのは、読まず嫌いの人が多いにちがいない。そういう人たちは、今回の『謎の独立国家ソマリランド』略して『謎ソマ』を機会に悔い改めて、ぜひ読んでみるように。とはいうものの、私もそれほど前からの愛読者ではない。一昨年に刊行された『イスラム飲酒紀行』以来、高野ワールドにどっぷりはまり込

    読めばわかる! 『謎の独立国家ソマリランド』 - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2013/02/20
    これは買います(お前、いつも高野秀行の本を作家買いしているだろうという外野の声は聞こえません)。
  • 『移民の宴』 外国系日本人たちの知られざる食生活 - HONZ

    高野秀行の魅力は高い親和力だと思っている。ノンフィクション作家は好奇心が強いのは当たり前。しかし相手のことを無視して、自分の取材のためだけに突き進み、相手に嫌われるまでになるのは、作品としてすごいと思っても、ちょっと嫌だ。 大学時代に怪獣さがしに行ったデビュー作『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)からその態度は全く変わっていない。好奇心はいっぱいで、何か異質なもの、奇異なもの、知りたいものに果敢にアプローチしながら、最初はどこか奥ゆかしい。相手や同行する仲間に気を遣い、ちょっとしたことでも“エライ”“すごい”“感動した”と子供よりも素直なのだ。そしていつの間にか輪の中に入ってしまい、取材なんかはそっちのけで、自分から楽しんでしまう。それが彼の文章からにじみ出ているのだ。 新刊『移民の宴』でもその様子は変わらない。書では「隣に住んでいる外国人はいったい何をべているのか?」という素朴な疑問

    『移民の宴』 外国系日本人たちの知られざる食生活 - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2012/12/25
    高野秀行のポイントは、取材対象への親和力(親しんでしまう力)というのは常々思っていた。海外で、その国の普通の会話ができるくらい言葉を身につけることができるスキルはうらやましい。
  • 『BRUTUS 6月1日号』 - HONZ

    好きにとってこの号は間違いなく買いだ。特集は「屋好き。」記事の1目「わざわざ行きたい新しい屋のカタチ」では品川駅ecuteの「PAPER WALL」、下北沢の「DARWIN ROOM」などの屋を紹介している。 続いての記事は「なぜ、京都の〈恵文社一乗寺店〉は、わざわざ全国から客が訪れる屋なのか?」。店内の写真に見入ってしまう。もはや屋そのものが出版物である。面陳(表紙を見せる陳列)と棚刺し(背表紙を見せる陳列)の絶妙な組み合わせ、新刊と古書、文庫と単行の並列など、見開き3ページだけで15分ほどかけて、なめるように見てしまった。 それ以降の記事もとても面白いのだが、さらに「この100ジャンルに強い100書店」という別刷りの綴じ込み付録がついている。嶋浩一郎氏と内沼晋太郎氏の「まだまだあります、一度は行きたい名書店」という対談も適切。 読みすすめるにつれ、3軒の特色ある書店を

    『BRUTUS 6月1日号』 - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2012/12/20
    和僑か。ある意味、某ジンさんも和僑だね
  • もう、辞めたい・・・。心優しき『戦国の貧乏天皇』 - HONZ

    なかなか刺激的なタイトルだ。 わずか7文字の中に、知的好奇心を刺激してやまない「違和感」が内包されている。 まず「戦国」と「天皇」がうまく結びつかない。日史で習った天皇を思いつくままに挙げてみても、古代であれば神武、推古、聖武、桓武といった有名ドコロがすぐに浮かぶし、中世になると、後に院政を敷いたことで知られる白河、鳥羽といったあたりが思い出される。しかし、その後となると、多くの人にとって耳馴染みがあるのは後醍醐天皇くらいで、建武の新政が崩壊して室町時代に入ってくると、その頃の天皇の名前はほとんど知らないのではないだろうか。 そして「貧乏」と「天皇」も、同じように結びつかない。鎌倉幕府の誕生以降、武家統治の時代が長かったのは事実としても、やはり天皇は一貫して日史の中心にいたはずだ。武家の時代にあっても、たとえば征夷大将軍の任命権限を持っていたのは天皇だ。要するに、武家にとっても天皇の権

    もう、辞めたい・・・。心優しき『戦国の貧乏天皇』 - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2012/12/06
    (つ∀`)
  • 作ってみました。『ナチスのキッチン』 - HONZ

    商売柄、台所に立つことは多いが、こんなに深遠な場所であったとは知らなかった。 まず、台所は人間の「外部器官」である、と著者は言う。人間は他の生物をべて生きているわけだが、そのまま生できるものを除けば、基的に切り刻んだり、火を通したりしてべる。すなわち台所は、この工程を担う、人間の体外にある最初の「消化器官」であるととらえるのだ。これは逆に言えば、台所は生態系のもっとも人間社会に近い中継地点ということになる。自然を加工し、その栄養を摂取する最終地点であると同時に、体内から飛び出した人間の器官なのである。 そう考えると、原始時代、火を手に入れた人間が、焚き火で炙ってべる、その火こそが、消化器官としての台所の原型とも言えるだろう。そこから「信仰、畏怖の対象としての台所」という視点が出てくる。ギリシアのオリンポス12神のヘスティア、日の庚申様など、台所には「竈神」がおり、古代ゲルマンで

    作ってみました。『ナチスのキッチン』 - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2012/06/13
    キッチンとは思想なり
  • 不丹 賛嘆 探検譚 『未来国家 ブータン』 - HONZ

    なにをかくそうブータン(漢字表記は「不丹」)のファンである、といってもたいしたことはない。2年前、ブータンがブームになる前に、「そうだ、ブータン行こう」と訪ブーし、すっかり魅せられてしまったのである。それでも縁あって、岩波書店の「科学」の「ブータン:<環境>と<幸福>の国」という特集では、なぜか「ブータニスト宣言」という、どう読んでも「科学」とはまったく関係のない文章を載せてもらったし、ブータン関連を読みあさるくらいにはフリークなのである。 ブータンをむさぼり読み、一時期は、邦で出版されたブータン関連のほぼすべてを読破していたはずである。しかし、この1年ほどのブータン出版ブームはすさまじく、すべてを読もうなどという野望は無駄な抵抗になってしまった。それでもやはりブータンはふと手にとってしまう。そして最近出色の二冊が、御手洗瑞子さんの「ぶ~これ」こと「ブータン これでいいのだ」と

    不丹 賛嘆 探検譚 『未来国家 ブータン』 - HONZ
  • 『江戸時代の天皇』 - HONZ

    昨今の「維新流行」はいったい何なのだろうか。政権交代からTPP、政治家の自己アピールまで、なにかと言えば平成維新だ、平成の開国だ、奇兵隊だ龍馬だと、幕末・維新期になぞらえる。江戸時代は由らしむべし、知らしむべからずの封建的・圧政的時代であり、「鎖国」によって激動する世界史の流れにも目を瞑った時代。それを打ち破ったのが明治維新であり、近代国家日の夜明け、日の青春であるという、いわば「維新史観」が厳然と根を張っていているらしい。だがそれは、維新になぞらえてしまえばもうそれ以上深く考える必要もないという、思考停止の作用を働かせてはいないだろうか。維新=善であると。言うまでもなく、維新とは政権を奪取した側が権力闘争と内戦の勝利を「御一新」と呼び、やがて「維新」と呼んだに過ぎず、そもそも善と悪という基準で判断するようなことではない。歴史の流れに「以前と以後」という断層を安易に設定してしまうことに

    『江戸時代の天皇』 - HONZ
    kowyoshi
    kowyoshi 2011/11/09
    みなもと太郎先生とか「もっと早く出してよ~」とか読みながら言ってそう