2億年前は「1000年に1種」の頻度だった生物の絶滅は、人間の歴史とともに飛躍的に増加し、今や「1年に4万種」という絶望的な領域に達してしまった。実は、ここ3000年に関して言えば、その大半は「島」で起きているという。 もちろん、多様な種の大量絶滅の原因は人間だ。しかし、島々で直接手を下しているのは、ねずみやねこなど、人間とともにやって来た動物たちである。船に乗って海を渡ってきた彼らは、上陸するやいなや稀少生物たちの命を脅かす「捕食者」へと豹変した。 鳥類や爬虫類たちの卵とヒナはあっという間にねずみに食べつくされて、固体数は激減してしまう。ウミスズメは後頭部に穴をあけられ、生きながらして眼球と脳みそをねずみに食べられる。トリスタンアホウドリのひなは、尻を齧られて、何十匹ものねずみが体内に侵入、内部から喰い尽くされる。 さまざな固有種がこの世から消え、かろうじて生き残った種も絶滅の危機に瀕し