奈良県が今週から、食害対策としてシカの捕獲・殺処分に乗り出したことに対し、自然保護団体が中止を求める要望書を県に提出しました。 奈良市一円に生息する「奈良のシカ」は、これまで天然記念物として保護されてきましたが、市の郊外では田畑を荒らすシカが深刻な問題となっています。そこで奈良県は、特定の区域に限りシカを捕獲・殺処分することを決め、7月31日から罠を設置していました。これに対し、兵庫県に本部を置く自然保護団体が「捕獲して殺処分するのは残酷だ」として県に中止を求める要望書を提出しました。 「無用な殺生は犯罪だと思います。柵を強化することによって(食害の)被害を減らす、こっちに進むべきだと思います」(日本熊森協会・森山まり子会長) 奈良県は「方針を変える予定はない」とコメントしています。