南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト!
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト!
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト!
政府の圧政に耐えかねた一部のアイヌたちが、金塊約75キロを軍資金としてひそかに貯めこんでいたが、ひとりの男がアイヌたちを皆殺しにし、北海道のどこかに隠したという。虐殺した男“のっぺらぼう”は死刑囚として捕まり、網走監獄にぶち込まれるが、決して金塊の在り処を喋ろうとしなかった。しかし、同じ死刑囚たちに在り処を記した暗号を刻みこみ、集団脱走させたという。単なる与太話かと思いきや、金塊の話は真実味を帯びていく。金塊を見つけようと決意する杉元の前に、狼を従えたアイヌの美少女アシリパが現れる。
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 冬の間は暖かい沖縄で過ごしますの。ええ、毎年。今年も二ヶ月ほど滞在してましたわ。 ……などと書くと、当然ながら「優雅だな、コノヤロ」と反感を買うわけだが、年を重ねるにつれて雪と寒さがこたえるようになった。仕事の進み具合は思いきり悪くなり、気分もめっきり落ちこんでしまうという状況に陥る。沖縄はやっぱり暖かく、病気ひとつせずに済んだけれど、そのぶん懐は一気に寒くなった。もう財布はスッテンテンであります。 もう沖縄には5~6回、しかも長期滞在経験もありということで、もう地元民きどりで那覇市を闊歩していたのだが、ジュンク堂で買ったこの本にガツンとやられた。『ご当地グルメエッセイ まんぷく沖縄』(てらいまき 案内人・松永多佳倫)である。 本作品は京都出
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 「大韓民国憲法 第2章 第39条 すべての国民は法律の定めるところにより国防の義務を負う」 「大韓民国兵役法 第1章 第3条 ……国民男子は、憲法とこの法律が定めるところにより兵役義務を誠実に遂行しなければならない」 うひょー。これはやばい。 読んでいて思わず、声を漏らしてしまった。新人の韓国人マンガ家・莉ジャンヒュンの『フォーナイン ~僕とカノジョの637日』(小学館)だ。コミックのなかに描かれる隣の国のハードな現実に圧倒されてしまった。 日本からソウルへ留学してきた女子大生のさおりは、同じ大学のハンとつき合うことに。ハンは少しバカでおっちょこちょいだが、誠実な童貞男子である。順調に交際がスタートするかと思いきや、ハンは少し前に徴兵通知を受け
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 「このミステリーがすごい!」大賞受賞作『果てしなき渇き』を原作とした映画 『渇き。』が2014年6月27日より全国ロードショー。 とにかくまずカツシンの話である。 勝新太郎。彼の凄さを知ったのは、彼が1997年に死去し、それからしばらく経ってからだった。 リアルタイムに見たカツシンといえば、すでに懐かしの大御所という佇まいであり、「ヤクザの組長みたいに迫力がありすぎるスキャンダラスなお爺さん」という感じだった。 高視聴率を誇った87年の人気大河ドラマ『独眼竜政宗』(主演は渡辺謙)で、カツシンは政宗の前に立ちはだかる天下人・豊臣秀吉を演じていたが、本物の戦国武将をタイムマシンで連れてきたような、豪傑のオーラをぷんぷん醸し出していた。 しか
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 昔、どんづまりの人を見たことがある。 私は三十代半ばまでサラリーマン生活をしていた。富山の置き薬みたいなルート販売をやっている製薬会社に勤務していた。ドラッグストアが乱立している今、若い人にはなじみがないかもしれない。「薬箱を家に置かせてもらって、使った分だけお代をいただく仕組みです。いざとなったら役に立ちますよ。なかには風邪薬も鎮痛剤も入ってます」などと、二十代のころは新聞の拡張団のように一軒一軒飛びこんでは、関東や九州に行って開拓に励んだ。 拡張したあとは契約社員の仕事だ。約4~5か月に一度は巡回して、お代の回収&薬の売りこみといったルートセールスをする。彼ら契約社員の動向をチェックするのも私の仕事だった。訪問件数はどうか、売上金はどうなって
深町秋生(作家)×黒木あるじ(怪談作家) 「知っている風景、身近な人を描いて、普遍の話に持っていく。たとえ勘当されたとしても、それが作家です」 第56回は深町秋生さん。今回は、深町さんとはこの講座で受講生仲間でもあった、黒木あるじさんの司会により、華々しく活躍する現在から、それを生んだ「雌伏の日々」のこと、強い女性を描くようになった理由、小説を書き始めたころの話まで、語っていただきました。 ◆『渇き。』ができるまで/映画化の効能/原作と映像は別物――では後半は、わたくし黒木あるじが聞き手をつとめさせていただきます。そういえば我々も初めて会ってからけっこう長いですよね。深町 そうですね。もう20年近くになるでしょうか。――出会った頃は、それぞれ作家を目指している最中だったわけでして。いわば同志というか仲間というか同じ釜の飯を食った間柄です。その後、深町さんは『果てしなき渇き』で「このミス大賞
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 「このミステリーがすごい!」大賞受賞作『果てしなき渇き』を原作とした映画 『渇き。』が2014年6月27日より全国ロードショー。 読み終えるまでに、不覚にも何度も涙した。個人的には今年ベスト5に入れたい傑作だと思う。新人・宮川さとしの新刊『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った』(新潮社)だ。 禁忌の臭いがうっすら漂う、ともすれば猟奇的な印象さえ与えるタイトルだが、絵柄はあっさり淡白であり、母親を失った作者による、まっとうな自伝的エッセイ物語である。(日野日出志の恐怖漫画みたいに、ボリッボリッと骨を食べるわけではない)末期ガンに侵された母親と息子の闘病記であり、元気はつらつだった母との交流を想う鎮魂の物語であり、大きな喪失と戦う息子の克服
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 「このミステリーがすごい!」大賞受賞作『果てしなき渇き』を原作とした映画 『渇き。』が2014年6月27日より全国ロードショー。 「マルクス読まんかい!」「これが唯物論や!」「不渡り出したということは、お前はもう死んだいうことなんや!」 ……と、作品はもちろんのこと、作者本人もしびれる名言を山ほど残し、コミック界に旋風を巻き起こした故青木雄二。私がもっとも尊敬するマンガ家なのだが、今年五月末にそのものずばり『青木雄二物語1』(青木雄二プロダクション)(扶桑社)が発売された。 つねづね「変わった人物なんだろうなあ」と思っていたのだが、本書を読んで、「……やっぱり、変人だったんだ」と、おもしろく読み終えたのだった。 本書の企画自体は正直なとこ
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! こりゃアダルトじゃのう。ぶちせつないわ……。 思わず広島弁で呟いてしまった。広島出身のマンガ家・野村宗弘の新作『うきわ』(小学館)を読んだ。野村作品には広島弁がじゃんじゃん出てくるので、ついうつってしまう。 広島での鉄工所勤務経験を生かしたガテン系労働生活を取り上げた『とろける鉄工所』(講談社)で、鉄工所のなまなましいリアルな労働環境(溶接の光で目が焼けて涙が止まらなくなる、針金が黒目に刺さり、抜いたらドロっとした液体が出て失明するなど)で、ブルーカラーな職人たちの生き様をディテール豊かに提示し、読者を多いに楽しませてくれた。 汗臭いタフな男たちを描く一方で、キュートで愛らしい女性が登場するのも、野村作品の特長といえる。亡くなった祖父の家で、大
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 「表現する喜び、信念をつらぬく厳しさ。誰かとめぐり逢う奇跡、愛しぬくことの尊さ。これは魂の物語です。」(こうの史代) 「素晴らしい 青春漫画の王道だ! “エロ”はどんな時代にも生きる勇気を与えてくれる。映画にしたいと思った」(行定勲) 個人的な話だが、一度だけファンレターを書いたことがある。 正確に言うなら、サイトの掲示板に「感動しました」といった内容を書きこんだというべきか。管理人は高浜寛。オトナでエロティックな恋愛物語の優れた描き手で、ヨーロッパなどで高い評価を得ているマンガ家だ。“乱闘、銃撃、爆破”と、偏差値低めなアクション小説を書いている私にとっては、登場人物のリアリティ、会話のうまさ、官能的な味わいは衝撃的ですらあった。鼻水たらしたボン
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 書店で最初に見かけたとき、率直に思ったのは「また、この路線か……」という、軽い倦怠感だった。今回取り上げるのは、業田良家の『機械仕掛けの愛』(小学館)であります。 もはやコミック界の人間国宝ともいうべき巨匠の作品だ。(もしあなたが、この作者の代表作『自虐の詩』(竹書房 ※文庫版もあり)を知らないのなら、すぐに書店に走るか、通販サイトに飛んで手に入れるべきだ。傑作中の傑作であります)決しておろそかにはできない。 おろそかにはできないんだけれど、見かけたときは「どうすっかなあ……」という迷いもちょっとあった。タイトルにあるとおり、おもにロボットを主役にした近未来SFドラマだからだ。すでに作者はロボットなど、人間以外を主役にした同系統の作品をいくつも発
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! とても失礼な言い方で申し訳ないが、まさか柳内大樹の作品で泣かされるとは思わなかった……。本当に失礼な話ではあるんだが。 今年の初めに二冊同時刊行された『軍艦少年』(講談社 全二巻)である。これにやられた。泣いた。哀しくも叙情的で、緊張感にあふれた青春物語だった。 柳原大樹といえば、不良少年バイオレンスものの『ギャングキング』(少年画報社)が有名だ。累計八百万部(!)を超える大人気シリーズだが、あちらはまったく手が合わなかった。もっと言えば、げんなりしていたというべきか。 『ギャングキング』は、表紙なんかにタトゥーだらけの不良少年がでっかく描かれているが、ひじょうに道徳的で正しい内容である。彫り師を目指す少年の青春ストーリーだが、人間的にもでっか
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 暖かく、やさしいタッチのマンガ表現なのに そこには「シベリア抑留」という氷点下の地獄図が 深く、リアルに、静かに語られている。 日本人が決して忘れてはいけない暗く悲しい67年前の真実。 次代を担う若者たちには何としても読んで貰いたい衝撃の一冊ちばてつや 悲痛かつ強烈な物語に目を奪われた。昨年の夏に刊行された『凍りの掌(て) シベリア抑留記』(おざわゆき 小池書院)だ。タイトルにあるとおり、昭和20年冬の戦争末期に召集された若者が北満州に送られ、一発の銃弾を撃つことなく終戦を迎えては、ソ連軍に捕まり、シベリアでの抑留生活を送る話だ。 マイナス四十度に達する極寒の収容所を生き抜いた作者の実父の体験をもとに描かれた作品。第16回文化庁メディア芸術祭マ
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 突然ですが、わたくし、このようにネコが好きなのであります。 山形市内の某ネコサロンにて。たくさんのネコ(この写真一枚だけでも10匹写ってる)に囲まれてご満悦だ。今はしょっちゅう旅に出るし、住んでる部屋はペット不可なので、ひとりさみしく生きているのだが、実家では何匹ものネコを飼っていた。累計で7~8匹ぐらいは家にいたと思う。暮らしのそばには、いつもネコがあった。 というわけで、ネコをテーマにしたマンガも読む。みんなアニマルが好きらしく、大きな書店に行けば、ネコやイヌコミック専門のコーナーなんかもあって、もはやマンガの一大ジャンルとなっている。 ネコ好きだから、ネコマンガも好み……と、言いたいところだが、そうは問屋は卸さない。じつを言えば……たいて
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! さて3月。 この時期がやって来るたびに、ぎゅっと胸が締めつけられる。この重苦しい感覚は、おそらく死ぬまで消えないだろう。 3月はとくべつな時期になった。まだ寒さが幅を利かせる東北のしぶとい冬。2011年3月11日に起きた出来事は、今でも悪い夢ではないかと思うときがある。 あの長い長い大揺れ。いつまでも震えている電線。電気を失った街と大渋滞。商品が消えたショッピングセンター。ガソリンスタンドの殺気に満ちた大行列。つながる気配を見せない携帯電話。ハリウッドのパニック映画みたいな大津波の映像が次々に目に飛びこみ、そして原発が大爆発を起こす……。 あれから2年。マンガに限らず、ルポや映画など、原発に関する作品をいろいろ見たり読んだりしたが、もっとも心
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