主要なテレビ番組はほぼすべて視聴し、「週刊新潮」などに連載を持つライター・イラストレーターの吉田潮氏が、忙しいビジネスパーソンのために、観るべきテレビ番組とその“楽しみ方”をお伝えします。 40歳を超えてから痛感する。物事はあらゆる角度から見なければいけないことを。たとえば殺人事件が起きたとする。妻が長年連れ添った夫を撲殺した事件。報道は淡々と、あるいは被害者寄りの目線で語られる。でも夫を食器で殴り殺すほど、妻にも積年の恨みや鬱積があったのではないか、とか、「近所では有名な仲良し夫婦」が実は仮面夫婦だったのではないか、とか。何が善で何が悪か、何が正義なのか。ひとつの視点から見ることは実は危うい。たとえそれが大手メディアの報道だったとしても、鵜呑みにするのは恐ろしい。別の角度からも見るクセをつけ、偏った正義感を振りかざすことだけは避けたいところだ。 正義とはなんぞや。この命題をきちんと突きつ