他人様(ひとさま)に自分の名前を書いてもらわないと商売にならない政治家とはなんとも因果な商売である。選挙になると、辺り構わず土下座する候補者がいまだにいるが、さすがに投票権を持っていないヒトにまで頭を下げる政治家はまれだ。 ▼刑事被告人になったため党員資格を停止された小沢一郎氏は、当然ながら29日の民主党代表選で一票を投じられない。それでもポスト菅に名乗りを上げた人々のほとんどは、挨拶に出かけた。 ▼不遇の先達にまで気を配るとは、みなさんよほど人間ができているのだろう、と感心していたら何のことはない。小沢氏が赤坂の居酒屋や中華料理屋で手なずけてきた100人以上にのぼる「小沢グループ」の票目当てなんだとか。 ▼情けないのは、これまで「反小沢」を看板にしてきた前原誠司前外相まで「小沢詣で」の列に加わったことだ。今回の代表選は、有権者が国会議員のみで、大票田の主である小沢氏の支援なくして当選はお