俳優の長澤まさみさんが自動車を背に「ありかも」と呼び掛けるテレビコマーシャル(CM)が話題になっている。広告主は中国の電気自動車(EV)大手「比亜迪(BYD)」だ。日本でなじみのないメーカーがどうして日本の人気俳優をCMに起用したのか。中国のEV大手の日本進出の狙いはどこにあるのか。 BYDは1995年に中国・深圳(しんせん)市でバッテリーメーカーとして創立された企業で、2003年に自動車事業に参入した。社名は「Build Your Dreams」の頭文字だという。 潮目を変える存在に 23年1月、日本の乗用車市場に参入し、今年6月25日には日本市場投入第3弾となるスポーツセダンのEV「SEAL(シール)」を発売した。価格は528万円からで、米テスラの似たタイプのEVと比較すると2割程度安い戦略的な価格だ。国や自治体の補助金を活用すれば、さらに安く購入できる。 東京都内で同日開かれた発表会