2012年2月10日(金曜日) 1.大赤字を計上した日本の家庭電器産業 日本の電気産業が存亡の危機に立たされている。パナソニック、SONY、シャープといった日本を代表する大手電気企業が今年度多額の赤字を計上することになりそうだ。東日本大震災、タイの洪水に加えて、円高も損失を大いに拡大させた。だが、問題はこのような一時的な要因だけで起こったわけではない。企業戦略に関わるより根本的な問題があることは多くのエコノミストやアナリストが指摘するところである。 筆者は昨年7月、「交易条件から見る韓国経済の影」と題してこのオピニオン欄にレポートを公表し、交易条件の悪化が電気産業を中心にして、日本や韓国など東アジア各国で広く進行していることを指摘した。今回、最新のデータをもとにして、改めて日本の交易条件を主要産業ごとに見たものが【図1】のグラフである。データは日銀の製造業部門別投入・産出物価指数(2005