国会周辺で三日に開かれた九条改憲反対集会で、「憲法の番人」である最高裁の判事だった弁護士、浜田邦夫さん(81)が壇上に立った。戦争を身をもって知る浜田さんは「衆院選では自民党が大勝したが、民主主義、立憲主義、法の支配を守るため、国民一人一人が勇気を持って発言していくことが必要だ」と訴えた。 (清水祐樹、小川慎一) 「憲法改正の検討自体は反対しない。しかし、安倍政権の近年の独裁的な手法、やり口を認めるわけにはいかない。安倍政権が目指しているのは戦争ができる普通の国。これは戦前の日本に戻るコースだ」。集会で浜田さんが力強く呼び掛けると、集まった市民から大きな拍手が起こった。 敗戦時、浜田さんは九歳だった。戦後は企業法務の弁護士として活躍し、二〇〇一~〇六年に最高裁判事を務めた。退官後の一五年九月の参院公聴会では、集団的自衛権の行使容認を「違憲だ」と指摘。元最高裁判事としては異例の行動だったが「