どこかで聞いたことがある。 ここ数日、ふと気づくとそれとなく手のひらをみつめている自分がいる。その度にネガティブなイメージを振り払い、何か楽しいことを考えようとするがうまくいかない。抱える問題は様々ではあるが、冷静に考えれば些末なものだという客観的かつ観察者的視点も持ち合わせている。持ち合わせてはいるが、うまく心をコントロールすることができない。コントロールする方法も、この三十年ほどの人生の中である程度は身に着けて来たつもりだったが、そもそもコントロールする気にもなれない。自分がこんなにも精神的弱者だと思わなかった。死ぬつもりはないが、生きることにそれほど執着できない。 寝て、起きて、食べたいものを食べ、会いたい人に会い、行きたいところに行く。経済的制限はあれど、ある程度自由に選ぶことのできる選択肢が目の前にあるのに、そのどれもが億劫に感じられて予定がなければ日がなスマホを触っている。頭で