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ブックマーク / brevis.exblog.jp (19)

  • 人が働く場としての工場 | タイム・コンサルタントの日誌から

    駐車場を出たとき、車の後ろの席で、P社の社長はそうつぶやいた。わたしは関西にあるPという株式会社を訪問して、工場を見学させていただき、そこの社長さんと何人かの方と一緒に、車で新幹線の駅へと向かう途中だった。車は途中で一旦、とある屋外駐車場による必要があった。 駐車場の入り口には、昔の電話ボックス位の大きさの小屋があり、そこに番人が座っていた。顔にシワの刻まれた、中高年だったと思う。彼はそこに来る日も来る日もたった1人で座り、車の出入りや場所の移動等の作業をしていくのだ。同僚との会話もなく、明確な休憩時間もない。暑さ寒さも厳しい。自動ゲートの機械を入れれば済むのだが、駐車場のオーナーは単純労働者の低賃金で済ましているのだろう。 後ろの座席でのP社長のつぶやきを聞いて、わたしは、「人が働くとはどういうことか、人をどう使うのが良いのか」について、つねに自問している方だと思った。わたしは今、見てき

    人が働く場としての工場 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から

    旅先ではいつも、その土地のものをべるのが習慣だ。だが、ときおり、外国で日料理屋に入ることもある。そして、たまに面らうような体験もする。いつだったか、アメリカの日料理屋で事を頼んだら、まっさきに味噌汁だけが出てきた。ふつうの街にある店で、来客はアメリカ人が多い。どうやら彼らの概念では、味噌汁はスープだから(Miso soupとよばれる)、真っ先に出すのが当然だということらしい。味噌汁を飲み終えたら、メインのおかずとご飯が出てきて、妙な気分だった。 汁物をsoupと訳するのは、もちろん正しい訳だ。だが日語で言う汁物と、英語スープは微妙に違う。たとえば英語では、スープべる(eat)という。日人で、「味噌汁をべる」という人は滅多にいるまい。ふつうは飲む、を使う。そして、当たり前だが、ご飯と一緒にいただくものだ。

    わたしはなぜ、「プロジェクト管理」という言葉を使わないのか | タイム・コンサルタントの日誌から
    kurihara99
    kurihara99 2017/12/18
    "プロマネの悩みとは、いつも相場が決まっている。それは、お金がないか、人が足りない、なのだ。"
  • 職人的であること、エンジニアであること | タイム・コンサルタントの日誌から

    ちょっと贅沢をして家族3人でお寿司をべに行った。ネタの新鮮さでは界隈で一番という店である。期待通りの、いや期待を超えた美味だったし、いつもは寡黙なメインの寿司職人さんが、珍しくいろいろ話をしてくれた。包丁の入れ方だけでイカはどれほど旨みが変わるか、雲丹は塩水保存とミョウバンを使ったものでは口どけが全く異なること、などなど。サンプルと実演を混ぜて教えてくれた。寿司職人の勤務時間や修業時代についても、語ってくれた。お盆の連休前で、リラックスしていたのかもしれない。 帰り道に、息子が感心したようにつぶやいた。「寿司職人て、なるのはやっぱり大変なんだね。時間も仕事もきつそうだし。でも、それだけ修行したら、あの人みたいな腕になるんだ。」就活が一段落したばかりの息子は、たぶん来年からの自分自身も重ね合わせて、感じ入ったらしい。「それに、あのイカの味の差! すごい技術だよね。」 ——技術じゃなくて、技

    職人的であること、エンジニアであること | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 稼働率100%をねらってはいけない | タイム・コンサルタントの日誌から

    多くの製造業においては、工場の稼働率が、重要な管理指標として今も使われている。3週間前のエントリ「原価の秘密 - なぜ、黒字案件だけを選別受注すると赤字に陥るのか 」(2014/07/06)でも説明したように、製品の個別原価を計算する際、材料費や労務費などの他に、製造機械の使用時間に応じた費用を含めるのが普通だ。その製品の加工作業で、製造機械が何時間必要だったかをベースに、機械のコストをチャージする。いわば“機械の使用料”だ。 個別の機械1時間あたりの使用料単価を『機械賃率』と呼ぶが、これは各機械の年間の維持費用(減価償却費等)を、年間の実稼働時間で割って計算する。機械の遊んでいる時間が多いほど、実稼働時間は減るから、同じ作業をしていても原価が上がる、というのがふつうの会計の仕組みだ。だから、製造業では稼働率を上げるべく、あれこれと努力するという訳である。 そして、前回のエントリを読まれた

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  • 納期が延びる要因を指標化する - スケジュールのDRAGとはどんな尺度か | タイム・コンサルタントの日誌から

    久しぶりにスケジューリングの話を書こう。スケジュールがなぜ長くなってしまうのか、どこを攻めたら短くできるのか、それを数字で指標化できる手法についてである。 いま、あるシステム製品をおさめる仕事を考える。単純化のために、この仕事は以下の6つの作業項目(アクティビティ)のみからなると考える。 1. 基設計  (推定所要期間=20日) 2.1 ハード調達 (推定所要期間=35日) 先行作業:基設計 2.2 設置調整  (推定所要期間= 5日) 先行作業:ハード調達 3.1 詳細設計  (推定所要期間=10日) 先行作業:基設計 3.2 ソフト開発 (推定所要期間=20日) 先行作業:詳細設計 4. 総合テスト (推定所要期間=15日) 先行作業:設置調整、ソフト開発 さて、このお仕事の納期は何日かかるだろうか。これは、作業項目とその順序関係を図に書いてみると分かりやすい。仕事の全体像をネッ

    納期が延びる要因を指標化する - スケジュールのDRAGとはどんな尺度か | タイム・コンサルタントの日誌から
  • コストセンターとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    コストセンターというのは奇妙な用語である。多義的だ、とか、意味が確定しにくい、とかいう訳ではない。コストセンターとは「費用だけが集計される部門単位」という定義が明確にあり、その点では、ほぼゆらぎがない。にもかかわらず、この用語は様々な価値判断や感情的評価を込めて使われている。ネットをちょっと調べてみれば分かるが、「もうコストセンターとは呼ばせない!」とか、「コストセンターからプロフィットセンターへの脱皮を」といった風に、ネガティブな意味合いで使われることが多い。あるいは「所詮コストセンター子会社だから」とか。いったい費用だけが集計される会社とは、どういう意味だろうか。収入がない会社が存在するのか? もともと「コストセンター」とは、会計学から発した言葉だった。日語では「原価中心点」という、いささかぎこちない訳語があてられている。意味は先ほど紹介したとおり、費用集計の部門単位である。企業の中

    コストセンターとは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
  • プロマネの悩みは誰が解決すべきか | タイム・コンサルタントの日誌から

    半年ほど前のことだが、好川哲人氏の主催する「プロジェクトマネージャー養成マガジン 1000号記念セミナー」というイベントに参加した。好川さんはPM業界(?)における著名なコンサルタント兼エヴァンジェリストである。プロジェクトマネージャー養成マガジンという密度の高いメルマガを、ほとんど一人で書いて毎週何も発信し、累計1000号に達したというのは、この分野にかける情熱の証拠であろう。16,000人ものの購読者がいることが、それを裏付けている。 さて、ラ・フォンテーヌ汐留で開催されたこのイベント、たしか30人近い人たちが参加した。その多くはIT業界である。好川さんは最初にキーノート・スピーチとして問題提起をされた。多くのプロマネにとって、仕事が苦しくなってきているというが、それをどう打開するべきか。苦しくなってきている、の箇所は、統計的な証拠を示したり会場の意見を聞いたりして、ほぼ全員の賛同す

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  • BtoB企業とサプライチェーンの強者 ~これから就活をする大学3年生へ | タイム・コンサルタントの日誌から

    先月、ある国立大学のお招きで、工学部の3年生・約100人を相手に、1コマ講義をする機会をいただいた。テーマは「サプライチェーンとスケジューリングの基礎」である。学生たちの感想を読むと、比較的多くの人の興味をひいたようなので、ここにその最初の部分だけを紙上収録させていただく。内容の一部は以前、日経産業新聞や「“JIT生産”を卒業するための」に書いたこととも重なるが、新しい話題も含んでいるのでご容赦いただきたい。 ------------------------- ご紹介にあずかりました日揮株式会社の佐藤知一です。今日はこれから皆さんと一緒に、「サプライチェーンとスケジューリングの基礎」というテーマで1時間半ほど勉強したいと思います。が、題に入る前に一つお伺いします。皆さんの中で、『日揮』という会社名を聞いたことがある人、いますか? (1-2名だけ手を挙げる) はい。ほとんどの方はご存じな

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  • 日本メーカの生き残る途 - 元ソニー取締役・金辰吉氏の講演から | タイム・コンサルタントの日誌から

    金辰吉氏と言えば、ソニー中村研究所専務、ソニー・グローバル生産革新部門長を歴任されたのち、独立して、現在は㈱ワークセルコンサルティング代表取締役を務められる著名な論客である。また、'90年代における日企業復活の原動力となった『セル生産方式』の命名者としても、よく知られている。その金氏が、先日の日経営工学会春季大会で「日メーカの生き残る途」と題した特別講演をされ、とても興味深い内容だったので、ここにその聞き書きを記しておきたい。 金氏とは以前、経営工学会の特別委員会で何度か同席させていただいたこともあるが、きわめて率直かつユーモアあふれる物言いをされる方だという印象がある。むろん、ここに記すことは私自身が聴衆として書きとったメモの内容であって、金氏の来の発表原稿や主張と差違があるとしたら、その責は私にある。 金氏の講演は、何枚かの新聞の切り抜きから始まった。まずは直近の経済新聞から、

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  • 考えない方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    昔、unixのパイプライン記法をはじめて学んだときは、ずいぶんとスマートな解決法だ、と感心した覚えがある。その頃、大型コンピュータを使う仕事では、バッチ処理のためのJob Control Languageという大変厄介な言語(というか何というか)を勉強する必要があった。これはどうしたら人間の生産性よりも計算機の都合を優先できるか、という観点からは見事な出来映えの記法であり、とくにデータファイルを定義するDD文なるものは、その厳密さと難解さと情け容赦無さの点で芸術の域に達していた。とにかくちょっとした中間ファイルの受け渡しだけでも、酷く頭を使うのである。unixのパイプライン記法は、これをたった一文字の | だけで済ませるのだ。舌を巻く、というのはこのことだ。 パイプライン記法の美点は、何よりも「名前をつける必要のない使い捨ての領域は、無名のままで済ませられる」という点にあった。プログラムを

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  • わたしが新入社員の時に学んだこと | タイム・コンサルタントの日誌から

    紅海を見下ろすホテルのレストランで、私たちは事していた。相手はサウジアラビア有数の財閥企業のBusiness Development担当ディレクターだ。いわゆるアラブ風の白い民族衣装ではなく、ふつうの背広にネクタイの服装をしている。年齢は、たぶん私と同年代か、少し若いかもしれない。しかし財閥トップの信任の厚い彼は、もうすぐ役員のポストに手が届くだろう。 戒律厳しいサウジの卓では、けっして酒は供されない。それでも、一緒に事をするというのは、知り合ったばかりの人間同士がうちとけるには最良の手段の一つだ。デザートをべ、後のお茶やコーヒーを飲む頃には、出自を含めていろいろなことを話し合うようになっていた。 レバノン出身の彼は、きわめてきれいで立派な英語を話す。イギリスの大学を出て、英国企業に就職し、さらにMBAを取得して別の会社のポストを得た。結局、11年間イギリスに住んだという。それか

    わたしが新入社員の時に学んだこと | タイム・コンサルタントの日誌から
  • タイム・コンサルタントの日誌から : R先生との対話--アメリカ製造業の教訓

    久しぶりに、またR先生を訪ねた。かつては企業経営にタッチし、現在は半ば引退した経営コンサルタントだが、今でも教えられることは多い。 「元気かい。出張に行っていたみたいだが、最近の景気はどうだね?」 --厳しいですね。半月ほど欧州の地方都市に行っていたんですが、今回の米国発金融危機は、想像していたよりずっと速く影響が出てきてます。我々の業界でも、世界中であちこちのビッグ・プロジェクトが中断ないし立ち往生をはじめました。向こうではしょっちゅう“今回の経済危機の影響はどうだ。日はどう立ち向かうのか”と聞かれました。聞かれても、これといっためぼしい政策もないし、答えに困るんですが・・。 「そうだな。自動車や消費財業界はもう影響が出始めているが、生産財その他の業種はまださほど危機感がなく、“日は金融危機の影響が小さいおかげで、円高になって困る”という程度の認識のようだ。まるドメ企業が多いからなあ

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  • 仮説検証のトレーニング | タイム・コンサルタントの日誌から

    学生のころ、阿佐田哲也の麻雀小説が好きだった。博打にも無頼にも縁遠い存在だった自分だからこそ、そうした世界に憧れを持ったのかもしれない。しかし、阿佐田哲也という人は情感と理性に絶妙なバランスを持った人で、その小説にはときどき非常に理論的な戦略解説がはさまれていた。 いまでもよく覚えているのは「茶木先生」という名前の音楽教師が出てくる短編で、この人はヴァイオリン・ケースをかかえながら、下手の横好きで雀荘に通ってくるのだ。勘に頼った彼の打ち方を見て、阿佐田哲也の分身である主人公が、いう。『麻雀は一回の結果だけ見て判断の良し悪しは言えない。長い平均で見て55対45の確率があるならば、55の方に賭ける。たとえある局面ではそれが裏目に出ても、腐らずに打ち続けることを学ばなければならない。それがフォームというものだ。』 麻雀自体はひどく運に左右される不確実性の高いゲームだが、そこにセオリーとフォームと

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  • 決めない人々 | タイム・コンサルタントの日誌から

    請負契約の仕事を長年やっていると、プロジェクトの成功・不成功はかなりの程度まで、顧客の性格に左右されるなあ、という感想を持つようになる。性格と呼ぶのは不正確かもしれない。個人個人の人柄の問題というよりも、顧客が組織文化として持っている性質である。それは端的には、「タイムリーに決断できる」か、「なかなか決断できない」か、という違いだ。 なかなか決断してくれない顧客に当たると、大変である。プロジェクトでは判断に迷うケースがいくらでも出てくるからだ。どんな設計も完全ではないし、市場の環境条件は変化するし、ユーザニーズも変わるし、法規制だって変わりうる。「ライバルが革新的な技術を出してきた」「現状を調べてみたら昔の設計図とかなり違っていた」「製品の販売予測が計画当初よりも弱気になってきた」「エンドユーザが操作法の変更に強く抵抗している」・・・『では、どうするべきか?』というのが、プロジェクト遂行途

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  • ピーターの法則と無能なる社会 | タイム・コンサルタントの日誌から

    遅ればせながら、私のところにも「ねんきん特別便」がきた。社会保険庁からだ。私の分については、中身はあっている。と思う。なにせ卒業以来、ずっと同じ一つの会社に勤めている。しかし卒業して以来、転居し結婚し何度も転職した私のつれあいの年金記録は、案の定まちがっていた。何度も社会保険事務所とやりとりをして、ようやく一の記録にまとめることができた。膨大な手間の浪費である。 そもそも、この「ねんきん特別便」を見て、“これには一体どれくらいの金がかかっているのかなあ”と感じる。日の人口は1億2千万人強である。年金記録対象者は子供をのぞくほとんど全員だから、1億枚近いだろう。これはつまり、A4のプリントアウト1億枚、ということだ。毎分20枚打てるプリンタがあったとしよう。それでずっと印字し続けて、10年かかる。業務用高速プリンタならさらにその数十倍の速度だろうが、それでも数ヶ月かかる計算だ。それぞれに

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  • データを情報に変える | タイム・コンサルタントの日誌から

    ここに一つの数表がある。最近の企業業績に関するデータをもとに作成したものの一部だ。類似した業種の会社7社を選んで、並べてある。 売上高 従業員数 粗付加価値額 付加価値生産性 労働装備率 -------------------------------------------------------------- 企業1  36,499 | 2,039 | 25,859 |  12.68   |   12.6 企業2 709,554 | 5,661 | 184,161 |  32.53  |   29.5 企業3  87,752 | 2,031  | 26,411 |  13.00   |   12.2 企業4 282,091 | 3,358  | 64,769 |  19.29   |   23.0 企業5 257,471 | 2,509  | 29,808 |  11.88   |   

    データを情報に変える | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 情報をデータにおとし込む | タイム・コンサルタントの日誌から

    以前、丸谷才一のエッセイを読んでいたら、「順調だった議論がこんぐらがるのは、たいてい比喩のところからだ」と書いてあるのをみて、なるほど、と思った。他人に論点をわからせようとするとき、われわれはよく比喩を使う。たとえば、“在庫とは時間のかんづめのようなものだ”とか、“(海外からの)技術導入は麻薬のようなものだ”といった言い方である。前者は、在庫物品があらかじめ進められた調達/製造工程の結果であることを言い表しているし、後者は、技術導入の成果は翌日からでもすぐ商品になるが、先々ずっと依存し続けることになる事情を示している。しかし、こうした喩えはインパクトが強いが、もとの事象をおおざっぱに表しているだけなので、どうしても異論が出やすいのである。議論のさなかに比喩を使うときは、かなり注意して用いる必要がある。 もうひとつ議論を混乱させやすい因子としてあげられるのは、形容詞である。「大きい」「小さい

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  • 究極の管理学とは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    最近、知り合いの東大教授から面白いことを聞いた。「東大には、なぜか管理学系の学科がないのです。」と、この先生は言う。「たとえば工学部には管理工学科とか経営工学科といった学科がありません。経済学部には一応、経営学科がありますが、実質的には経済学科とは垣根が低く、一体に近いようです。工学系大学院にMOT(Management of Technology)を意識した『技術経営戦略学』が最近設置されたのが、唯一それに近い存在でしょうか。」 つまり、日の最高峰と世間で言われている学府は、どうも「管理」を学問や教育の対象とは考えていない、ということらしいのだ。京大についても、Wikipediaで調べてみると「経営管理大学院」はあるが、これもつい最近(2006年)に設置されたばかりである。事情は東西でよく似たようなものらしい。こういう話は、生産管理だとかプロジェクト・マネジメントだとかで飯をっている

    究極の管理学とは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
  • タイム・コンサルタントの日誌から

    10月2日はインドの祝日だった。独立の父・ガンディーの生誕記念日である。我々は学校で、彼の名前をマハトマ・ガンジーと習う。だが、これは元々の名ではない。マハーは「大いなる」、アートマー(アートマン)は「魂」で、マハートマーとは「偉大な魂」「聖者」というほどの意味だ。これは、国民会議等から賜った名である。 彼自身は、しかし、この呼び名をありがた迷惑なものと考えていたらしい。名はモーハンダス・カラムチャンド・ガンディーで、幼い頃は「モニヤ」、少年時代は「モーハン」、青年時代は「モーハンダス」と呼ばれた。エリクソンは彼のライフ・ヒストリーを、この名前で象徴的に記述している。

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