タグ

ブックマーク / honz.jp (5)

  • 『ドビュッシーはワインを美味にするか? 音楽の心理学』 - HONZ

    書を読んで私がまっさきに思い浮かべたのは、某有名CDショップが使う「NO MUSIC, NO LIFE」(音楽なしじゃ生きていけない)というキャッチフレーズだった。調べてみると、この宣伝文句が使われはじめたのは、もう20年も前の話だという。 私は当初、この文言を「音楽大好き!」「音楽最高!」というメッセージを大げさに強調したものだと考えていた。でも書を読むと、このキャッチフレーズが文字通りの意味だとわかってくる。つまり、「音楽がなければ、人間は生存できない」という意味だと。音楽が人間の生存にとっていかに不可欠なものか、なぜ私たちは音楽を愛するのか、という謎を書は見事に解き明かしてくれる。 著者のジョン・パウエルは、イギリスで物理学と音楽音響学を教える大学教授である。この経歴だけを聞くと、いかにも小難しそうな作品だと予想す

    『ドビュッシーはワインを美味にするか? 音楽の心理学』 - HONZ
    kurikurimaron
    kurikurimaron 2017/11/15
    “響きの科学 ──名曲の秘密から絶対音感まで”
  • 『サルは大西洋を渡った──奇跡的な航海が生んだ進化史』 大海原という障壁を越えて進出する生物たち - HONZ

    「ありそうもないこと、稀有なこと、不可思議なこと、奇跡的なこと」。生物地理学者のギャレス・ネルソンはかつてそんな言葉でそれを嘲笑したという。だが実際には、どうやらそれは生物の歴史において何度も生じていたようだ。それというのは、生物たちによる長距離に及ぶ「海越え」である。 書が挑んでいる問題は、世界における生物の不連続分布である。世界地図と各地に生息する生物を思い浮かべてほしい。大西洋を挟んで、サルはアフリカ大陸にも、南アメリカ大陸にも生息している。また、「走鳥類」と呼ばれる飛べない鳥たちは、南半球の4つの隔たった地域に分布している。さらに、ガータースネークはメキシコ土で見られるが、そこから海で隔てられたバハカリフォルニア半島の南部にも生息している。 そのように、系統的に近しい多くの生物が、海などの障壁で隔てられた、遠く離れた地域に生息している。しかしそうだとしたら、彼らはいったいどうや

    『サルは大西洋を渡った──奇跡的な航海が生んだ進化史』 大海原という障壁を越えて進出する生物たち - HONZ
  • 『耳鼻削ぎの日本史』”やさしさ”から”見せしめ”まで - HONZ

    “耳鼻削ぎ”とは穏やかではない。というか、野蛮。現代人はそう感じるだろう。日歴史上で耳や鼻を削ぐといえば、戦国時代の話かな。敵の首をいくつとったか戦功を証明するのに、首だと持って帰るには重いから耳。いや耳だと左右二つ削いで数をごまかせるので鼻になったんだっけ。いやはや、戦国時代は血腥い…。 著者は日各地の“耳塚”“鼻塚”を訪ね歩き調査する。無惨に討たれた武士たちの耳や鼻が何百と葬られたというのなら、さぞや怨念が染み付いているだろう、怨霊話もあるだろう。耳や鼻を削ぐという行為の意味もみえてくるだろう、と思いきや。 なぜかどこへいっても「耳の神様が耳の聞こえをよくしてくださるところ」という話ばかりだったのだという。 私は日中の耳塚・鼻塚を訪ねてまわり〜(中略)けっきょくのところ、どこの耳塚・鼻塚からも不気味な怨霊譚が聞かれることはなかった。それどころか〜(中略)土地の人から愛され、ご利

    『耳鼻削ぎの日本史』”やさしさ”から”見せしめ”まで - HONZ
  • 完全食品ソイレントが突きつけるもの - HONZ

    『ニューヨーカー』の2014年5月12日号に、「ソイレント」という液状品に関する記事が掲載されました。軽~く興味を引かれて読み始めたところ、ちょっと意外なぐらいに、われわれの「」について考えさせる内容になっていたので、ご紹介してみます。 液状のべ物というのは、昨今、それほど珍しいわけではありません。減量したい人のダイエット品にも、ドロドロした飲むタイプのものがありますし、筋肉増強したい人のためにも、タンパク質メインの飲み物はあります。しかしソイレントがそれらと異なる点のひとつは、完全品を謳っている点です。これだけを摂取していれば、ほかには何もべなくてもよいというのです。 ソイレントを考案したのは、ロブ・ラインハートという青年で、品関係というよりむしろ、ITとかSNS系の起業をやりそうな感じに見えます。実際、ラインハートは、ジョージア工科大学卒業後、友人二人とともにIT関係のス

    完全食品ソイレントが突きつけるもの - HONZ
  • 1冊10分で読める本の要約サイト「flier(フライヤー)」 – HONZ

    の要約サイト flier(フライヤー) 私たちのサービスは、「読書体験を豊かにするディスカバリーサービス」と銘打っています。のタイトル数が年々増えていく中で、良書に出会うことはますます難しくなっています。そんななかで、の要約を読むことでその世界観を気軽に味わうことができれば、優れた書籍に出会いやすくなる、というサービスと位置づけているのです。 しかも闇雲にを紹介するのではなく、キュレーターによって紹介するを厳選し、雑誌のようなインターフェースで提供することによって、いままでにあまり興味が湧かなかった人にも読みやすい内容になっています。 創業に至るストーリー 私たちはなぜ「の要約サイト」を立ち上げたのか。まずはそこからお話ししたいと思います。 起業の報告をしたとき、たくさんの人から聞かれたのが「いつから考えていたの?」という質問です。創業メンバーの三名は経営コンサルタントだった

    1冊10分で読める本の要約サイト「flier(フライヤー)」 – HONZ
  • 1