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思想に関するkuroiseisyunのブックマーク (105)

  • 特別企画 藤原辰史「切なさの歴史学」

    『分解の哲学』(青土社)でサントリー学芸賞を受賞された京都大学人文科学研究所准教授の藤原辰史さん。次々と新しいテーマで著作を発表されている藤原さんを小社にお招きし、編集部のスタッフを中心に勉強会を行いました(2019年10月11日)。 講演のテーマは「切なさ」。芸術や学術を停滞させるアパシーの蔓延からいかに抜け出せるのか? 欧米の新しい歴史研究や、戦争貧困のなかで生き死んだ民衆、とりわけ子どもたちの事例に注目することで、現代史の過酷さに迫るとともに、「切なさ」を糸口にした歴史学の可能性を考えるという内容でした。 藤原さんの熱いトークを前編・中編・後編の3回にわたってお届けします。 研究のキーワードとしての「切なさ」 世界思想社さんには、かれこれ十何年前からお世話になっております。1960年代の研究という研究班を人文研でやっていたとき、私は雪印乳業の社史を分析して、牛乳の近代日史みたいな

    特別企画 藤原辰史「切なさの歴史学」
  • カール・レーフラーの神学とその時代 - INSIGHT NOW!プロフェッショナル

    /ウソは、隠すことにおいて、逆に真実を語り出してしまう。これは、解釈学の基テーゼだ。この意味で、カール・レーフラーの「神学」問題は、なかなか興味深い。/ ウソは、隠すことにおいて、逆に真実を語り出してしまう。これは、解釈学の基テーゼだ。この意味で、カール・レーフラーの「神学」問題は、なかなか興味深い。いまどき論文中に典拠を捏造するなどというのは、まったく気が知れないが、文献中の杜撰なウロ覚え引用なんかでいちいち驚いたり怒ったりしていたら、神学だの、哲学だの、やってられないはず。それどころか、まるごと捏造の偽書なんて、この業界には古代から現代まで、大量にある。筆写や校正での混乱まで含めたら、完全真正の文献の方が珍しいくらいだ。だから、むしろ偽書や怪しい引用から真実をどう読み解くか、そこに読む側の研究者の知性の水準が問われる。 先週5月10日、東洋英和女学院院長、深井智朗(ともあき)が研究

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  • フェミニズムと優生思想が接近した「危うい過去」から学べること(北村 紗衣)

    奇妙なフェミニズムの潮流 私は長いことフェミニストをやっている。フェミニストであることを後悔したことは一度もない。そして、歴史フェミニズムが経験した失敗とか、今だと素っ頓狂に思える今は廃れた理論などについて学ぶのが昔から好きだ。 そんなのはおかしいと思うあなたは、視野が狭すぎる。先達がどういうところで失敗したのかについて学ぶのは、今後の戦略を考える上で重要なことだし、内省のきっかけにもなる。 私はふだん演劇史を研究しているが、少しでも歴史にかかわることを研究したことがある人なら、過去に向き合うことの重要性を知っているだろう。「都合の悪いことには目を向けない」という否認主義的な歴史修正主義は人を幼稚にする。フェミニズムについても同じだ。 一方で、私は自分があまり歴史家らしくないと思うこともある。というのも、私は科学史学会というところに所属しているのだが、科学思想の歴史を研究している人たちと

    フェミニズムと優生思想が接近した「危うい過去」から学べること(北村 紗衣)
  • 左翼・過激派系書店「模索舎」が選ぶ、絶対に読んでおきたい「テロ」関連文献6選 (2015年10月26日) - エキサイトニュース

    JR新宿駅から徒歩10分、新宿御苑そばに小さな書店がある。古びた木彫の看板には「模索舎」の文字。一見、古書店のようだが、れっきとした新刊書店だ。店内には、天井にいたるまでびっちりとが並んでいる。だが、この書店の品ぞろえは他とはひと味違うことで知られる。 【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2015/10/post_7670.html】 天皇制、赤軍、アナーキズム、監獄・死刑、戦争責任、マルクス主義、原発など店内のジャンル区分はずいぶんトバしている。 そこには、あらゆる情報をフラットに取り扱う模索舎の理念がある。思想信条や、メジャー、マイナーで区分はされない。実際、模索舎は左翼関係の書物ばかりでなく、右翼関係の書物も取り扱う。さらに、自主制作のミニコミや、Tシャツ、CD、DVDといった、サブカル系のアイテムも充実している。 模索舎の歴史は1970年代初頭までさかのぼる

    左翼・過激派系書店「模索舎」が選ぶ、絶対に読んでおきたい「テロ」関連文献6選 (2015年10月26日) - エキサイトニュース
  • 『刀剣乱舞』デザイナーの「大東亜共栄圏」発言についてのコメント

    『刀剣乱舞』デザイナーのコンテンツ文化史学会における「大東亜共栄圏」発言(http://togetter.com/li/853537)について、カール・シュミットなど公法思想がご専門の藤崎剛人(@mf_katechon)さんのコメントをまとめました。

    『刀剣乱舞』デザイナーの「大東亜共栄圏」発言についてのコメント
  • 思想としてのインターネットとネット原住民のたそがれ

    思想としてのインターネットとネット原住民のたそがれ Twilight of the digital natives and thoughts on the future Internet 2015.07.14 Updated by yomoyomo on July 14, 2015, 13:41 pm JST 少し前に、人気ポッドキャストの Rebuild で、伊藤直也さんが川上量生氏の『鈴木さんにも分かるネットの未来』を紹介しているくだりが面白かったので、長くなりますが文字起こししてみます。 例えば電子書籍の話も、僕らはすぐそうやって、Kindle になってねーから、ふざけんなって思うじゃないですか。テクノロジーの進化を止めやがって、みたいな。だけど、このに書かれているのは、そうやって電子書籍が広まっていくのはいいんだけど、そうなると書籍ビジネスって基的に今の構造のままだとシュリンク

    思想としてのインターネットとネット原住民のたそがれ
  • [ idea-mag.com ] » idea magazine » IDEA No.370 : 思想とデザイン

    2015年6月10日発売 特集:思想とデザイン 思想が人に伝えらえるためには,なんらかの素材や形に定着させなければならない。したがって思想は無形のものとしては存在しえず,インターフェイスとしての書物とそのデザインに大きく規定されてきた。またメディアの広がりとともに,思想は活字ではなく音や図像も含めた空間のなかに展開されるようになってきた。時代と共に移り変わってきた思想とデザインの関係に,気鋭の若手研究者,評論家とともに切り込む特集。 企画とアートディレクションは,現在,美術・建築・人文系をはじめとする幅広い領域で活躍するデザイナー・加藤賢策(ラボラトリーズ)が担当。 マクルーハンのメディアデザイン  文│門林岳史 1960-│拡張するメディアと思想 視覚的ペーパーバックの実験|ポケットの中のカウンターカルチャー|絵詞エディトリアル─横尾・粟津の|杉浦康平の文体─①,杉浦康平の文体

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  • 『アニメは越境する』を読む - bibliophil

    アニメは越境する (日映画は生きている 第6巻) 作者: 黒沢清,吉見俊哉,四方田犬彦,李鳳宇出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/07/30メディア: 単行購入: 2人 クリック: 82回この商品を含むブログ (8件) を見る先月末に岩波書店から出版された『アニメは越境する』を読んだ。日映画は生きているシリーズの第6巻で、国内外のアニメ研究者による計八の論稿、神山健治×上野俊哉の座談会、佐藤大、上橋菜穂子らによる短いエッセイが収録されている。 以下、雑感。 津堅信之「日の初期アニメーションの諸相と発達」 1930年頃までの初期アニメ史を最新の研究成果も踏まえながら実証的に記述したもの。この時期の日がいち早く実写/アニメーションの境界に自覚的になり、アニメという表現媒体の独自性に気づいた点を指摘している。特に、前衛的手法としての「人形アニメーション」や学生やアマチュア

    『アニメは越境する』を読む - bibliophil
  • 椛島有三などの右翼学生運動史

    菅野完 @noiehoie 椛島有三は、昭和20年 佐賀県生まれ。幼少のころ、生長の家に入信。そのころの生長の家がどれほどの国粋主義だったかは、当時の谷口雅春の「限りなく日を愛す」等を参照。 椛島はその後、昭和39年長崎大学に入学。 2015-03-08 00:13:59 菅野完 @noiehoie 当時の長崎というか、九州は、エンタープライズ入港闘争とかで、左翼学生運動の盛んな土地柄。彼は、生長の家の国粋主義思想をもったまま、左翼学生運動が盛んな長崎大学に進む。 2015-03-08 00:15:04

    椛島有三などの右翼学生運動史
  • 現代口語訳版「アンチ・エビデンス━━90年代的ストリートの終焉と柑橘系の匂い」その1 - 大澤めぐみの落花流水

    アンチ・エビデンス ──90年代的ストリートの終焉と柑橘系の匂い 千葉雅也(哲学・表象文化論) 稿は現代の日人にはもはやあまりなじみのない失われた言語である古代ポストモダン語で書かれた千葉雅也さんの「アンチ・エビデンス━━90年代的ストリートの終焉と柑橘系の匂い」を現代口語訳に翻訳したものである。完全な翻訳というのはいかなる言語からどのような言語に変換するものであれ原理的にはまったく不可能ではあるのだが、そのエッセンスを外すことがないように最大限留意した。千葉雅也の思想のその片鱗だけでも、広く一般の方に馴染んでいただくことの一助となれば幸いである。 以下文 ストリートカルチャーというのはたいていの場合、学術的に事実資料として参照可能なぐらいの強度で記録されていたりはしないので、検証しようとしても当時を知る人の記憶頼みになるのだけれど、人間の記憶というのは薄れるし過剰に美化されていたり

    現代口語訳版「アンチ・エビデンス━━90年代的ストリートの終焉と柑橘系の匂い」その1 - 大澤めぐみの落花流水
  • 岡本裕一朗『フランス現代思想史』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    3月30 岡裕一朗『フランス現代思想史』(中公新書) 8点 カテゴリ:思想・心理8点 レヴィ=ストロース以降の「フランス現代思想」についての解説書ですが、注目すべきはタイトルが「フランス現代思想」ではなく、「フランス現代思想史」となっている点。「フランス現代思想」というムーブメントが「終わった」ことを前提に、その内容と意義をたどる形になっています。 また、著者は「フランス現代思想」を専門にしている人物ではなく、専門はヘーゲル。フランス現代思想に取り組むようになったきっかけは、非常勤講師先で学生からドゥルーズ=ガタリの『アンチ・オイディプス』について講義してくれと頼まれて読んでみたが、まったくわからなかったことだそうです。 ということもあって、「フランス現代思想」の専門家がその研究対象の「凄さ」を伝えるようなではなく、ドイツなどの現代思想と比較しながら、その内容をなるべく客観的に評価する

    岡本裕一朗『フランス現代思想史』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
  • イスラム主義と左派――シャルリ・エブド襲撃事件に記して / マイケル・ウォルツァー / 政治哲学 (翻訳 / 高波千代子、吉田徹) | SYNODOS -シノドス-

    イラン革命から35年が経ってなお、宗教復興の時代、今でいえば「ポスト世俗主義」の時代を、左派の人間やこれに賛同する人(多少距離のある人も含め)は、これを理解するのに苦労しており、理解することすらも拒んでいる。私たちは「世界の脱魔術化」を心待ちに、近代化が達成された暁には科学の勝利と世俗主義がもたらされるだろうと信じてきた。その後、私たちはニック・コーエンが記すように「啓蒙主義の教えを忘れて、あらゆる過激な信仰は圧政を生み出す可能性がある」のを目撃するに至った。 今日では、世界のあらゆる宗教が復興の明らかな途上にある。復興を遂げた宗教は、麻薬というよりは、刺激的な興奮剤である。1970年代以降、特にこの10年、この興奮剤はイスラム世界で最も強く効いている。パキスタンからナイジェリア、そしてヨーロッパの一部で、現代のイスラム教は多くの人々、特に男性に多くの影響を与えている。そして、宗教は、その

  • 「賢い有権者」だけで政治はよくなるのか?/『感情の政治学』著者・吉田徹氏インタビュー - SYNODOS

    有権者が合理的に政策を選択するだけで、政治当によくなるのか? 合理性に基づいた従来の政治学では捉えきれない政治と人びとの関係を、感情をキーワードに探っていく『感情の政治学』(講談社)。賢い有権者を前提とした「マニフェスト政治」の限界を説き、いま政治に必要なのは共感する有権者ではないかと語る著者・吉田徹氏に、インタビューを行った。(聞き手・構成/金子昂) ―― 書は、これまでの合理性に基づいた政治学の限界を説き、選挙やデモなど、さまざまな「政治」の場で、感情がどのような役割を持っているのか、そしてその可能性を述べた刺激的な一冊となっています。そもそもなぜ書で取り上げているような感情や信頼、共同体に注目して、政治を取りあげようと考えられたのでしょうか? 理由はいろいろです。まずポスト55年体制に入って、政治にお任せをする有権者ではなく、賢い有権者になろうというかたちで政治像が捉えなおさ

    「賢い有権者」だけで政治はよくなるのか?/『感情の政治学』著者・吉田徹氏インタビュー - SYNODOS
  • 正しい拷問? : 「正拷問論」構築に向けて : HUSCAP

    Hokkaido University | Library | HUSCAP Advanced Search 言語 Home About HUSCAP Open Access Policy Browse by Author Browse Communities & Collections Scholarly Journals Theses Doctoral Dissertations Listed by Graduate Schools Conference Procs. Events HUSCAP Senior (in Japanese) Societies Downloads (country) For university staff How to post your papers to HUSCAP Publication of theses Helpline about thes

  • ハッサン中田さんのこと - 王様の耳そうじ

    根羽村のドラマも上映されるイベントなのだ! (ねばろぐ ~長野県根羽村から~) カッセイカマンドラマねばむら編 公開中! (ねばろぐ ~長野県根羽村から~) 田中真知さんとの邂逅 (中東ぶらぶら回想記) 虫喰いについて (中東ぶらぶら回想記) 新犯罪 誕生? (ag's blog) 振り込め詐欺全文掲載 (ハラキリロマン) 時計じかけのオレンジ (AML Amazon Link) 先日、東大の駒場祭で、ハッサン中田さんのシリアについての講演を聞いた。ハッサンさん(日名・中田考さん)は、1990年代、ぼくがカイロに暮らしていた頃のご近所さんで、ときどきうちで、いっしょにご飯をべたり、あれこれ話をしたりした。当時かれはカイロ大の院に留学中で、イブン・タイミーヤという中世のイスラム法学者の研究をしていた。 ハッサンさんは敬けんなムスリムで、うちで話をしていても、礼拝の時間になると、ちょっと失

    ハッサン中田さんのこと - 王様の耳そうじ
  • 自由主義者の「イスラーム国」論・再び~異なる規範を持った他者を理解するとはどういうことか - 中東・イスラーム学の風姿花伝

    近代民主制の自由社会において基中の基の部分について、よく整理された考察だと思い、大変興味深く読ませて頂きました。 また日では、それが批判的な文脈にせよ、そうでないにせよ、イスラーム思想や中田考の主張に対する誤解は非常に多いです。そんな中で、それらに対する理解・考察も可能な限り正確な点も貴重だと思います。 決定的に異なる他者をどう理解し、自由主義社会内では、その存在について、具体的に何を尊重して、何を批判しても許され、何を守らせなくてはいけないのか、そしてそれが自由主義国家圏の外と関係してきた場合どうすべきか、これから私達日人は考え、よく分かっておく必要があるでしょう。

  • スコットランド独立問題を斜めに読む-英国の制度と思想から(六辻彰二) - エキスパート - Yahoo!ニュース

    9月18日、スコットランド独立の是非を問う住民投票が行われます。今年初め、その大まかな歴史的背景についての記事を書いた頃には、世論調査の結果で反対派が過半数を占めていたため、「独立賛成派が勝つ確率は大きくない」と述べたのですが、選挙戦終盤に来て熾烈なデッドヒートが繰り広げられているのをみると、過去の記事の結論との整合性にハラハラしてしまいます。 個人的なことはともあれ、「国家としての独立」という、これ以上ないほど大きなテーマである今回の選挙は、かつてない接戦となっており、日でも大きく報道されています。ただ、そこには2つのテーマが内在しています。第一に、分離独立問題が表面化したのが、なぜ他のヨーロッパ諸国でなく英国なのか。第二に、固有の伝統や文化をもつ民族は、常に独立を求めるものなのか。これらを、英国の政治制度と思想的潮流から読み解きます。 「少数者保護」の不備ヨーロッパは近代以降、「国民

  • 日本マルクス主義はなぜ「原子力」にあこがれたのか―加藤哲郎

    1 日同時代史学会2011年度大会「越境する知と日」2011年12月10日(土)午前の部 「マルクス主義と戦後日の知的状況」11:00 - 13:00専修大学神田キャンパス7号館731教室 日マルクス主義はなぜ「原子力」にあこがれたのか(ウェブ版) 加藤哲郎(早稲田大学・政治学) http://www.ff.iij4u.or.jp/~katote/Home.shtml <報告レジメ> 1 日の核エネルギー̶̶「まだ70 年」か「もう70 年」か? 問題の所在 現存した社会主義・ソ連邦 (1917-91)崩壊時の討論との類似性・共通性 ① 1941 日における原爆開発開始(陸軍・理研仁科芳雄・東大・嵯峨根遼吉・武谷三男ら「二号研究」 と海軍・京大荒勝文策・湯川秀樹ら「F研究」)から、2011.3.11 フクシマまで、脱原発を決めたドイツと の違い(緑の党の存在) ② Trans

  • 「右傾化」のまぼろし――現代日本にみる国際主義と排外主義

    の「右傾化」が国内外のメディアで盛んに論じられている。それは日の現状を正しく反映しているのか。集団的自衛権行使容認やヘイトスピーチなど、いわゆる「右傾化」現象の質に迫る。 「右傾化」論を読み直す 昨今、日および海外のメディアでは、現在の日における「右傾化」の傾向がしばしば論評の対象になっている。たとえば、『ウォールストリート・ジャーナル』(電子版、2014年2月26日配信)には、「アジアでの緊張関係が日に右傾化をかきたてた」(Tensions in Asia Stoke Rising Nationalism in Japan)と題する長文の署名記事が載っている。そこでとりあげられているのは、一方では『WiLL』のようなナショナリストの雑誌が売れ、中国韓国をあからさまに侮蔑する書物が大量に刊行され、選挙においても同様の主張をする候補者が選挙で多くの票を得るといった社会の「全体

    「右傾化」のまぼろし――現代日本にみる国際主義と排外主義
  • 『明治の表象空間』 松浦寿輝 | 新潮社

    いろはの「い」から ――『明治の表象空間』は、A5判・七〇〇ページ超と、松浦さんの中で最も長大なとなりました。「新潮」連載は二〇〇六―一〇年の五年間(全五十回)でしたが、構想はいつごろからあったのでしょうか。 松浦 一九九五年に『エッフェル塔試論』と『折口信夫論』を出しました。別々の出版社から刊行した二冊なのですが、たしか見が出来てくるのがほんの一日違いだったのを覚えています。意図したわけではなくまったくの偶然ですが、ほぼ完全な同時刊行ということになりました。この二冊は、一方は十九世紀フランス文化史、他方は日の歌人・民俗学者の言説分析と、まったく異なる主題を扱っています。両者を目の前に置いて、さて、ではこの二つの異質な仕事の間にどういうかたちで橋を架けたらいいのか、といったことは当然、考えますよね。そういうこともこのの構想の端緒にあったような気がします。 それから、それとはちょっと

    『明治の表象空間』 松浦寿輝 | 新潮社