デザインとは近代産業社会の所産であると言われます。そして資本主義の発展とともに、生産と消費、技術と人間、社会と個人などつなぐ手段として、デザインの重要性は広く認められるようになりました。 しかし、産業社会や資本主義の進展は、地球規模の大きな環境変化をもたらし、「人新世」(じんしんせい)という地質学的に新たな時代に入ったと言われるようになりました。産業社会も資本主義も大きく変わっていかねば、経済的な格差はますます拡大し、政治的な分断が広がり、気候変動や生物多様性を減衰などによって環境が激変し、破滅のシナリオが免れないような状態となっています。デザインが産業社会の所産であるということは、見方を変えれば、デザインは人新世とともに生まれた人類の創造活動ということです。 人新世という見方が生まれたのは21世紀になってからです。新しい時代になってきたことがはっきりと見えてきた今、デザインも変わらねばな
![人新世のデザイン|藤崎圭一郎](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/76906fc4028b229b104ba9083088a06d9846b2f0/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F114749082%2Frectangle_large_type_2_5916ebc899f4cdebf6ee434e4e85b682.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)