【佐藤剛志】「赤本」で知られる大学入試の過去問題集が、来年で創刊から60年を迎える。正確さやきめ細かな解説で受験生に信頼されてきたが、最近は少子化やインターネットによる過去問題の無料公開、面接試験の導入などで、「逆風」が吹き始めている。 「赤本アプリ」。今月、スマートフォンでセンター試験の英語のリスニングテストの過去問題を聞けるアプリが登場した。「創刊60周年」を記念するツイッターのアカウントも開設。駅頭広告も出し、異例のPRに乗り出している。 赤本の正式名は「大学入試シリーズ」。京都市左京区の出版社「世界思想社教学社」が発行し、1954年に「京都大学」「大阪市立大学・神戸大学」「同志社大学・立命館大学」の5大学(3冊)で始まった。今では全国のほぼ半数の375大学分を発行。「知名度」「正確さ」「伝統」をうりとする。