政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は4日の衆院厚生労働委員会で、政府が入院対象を重症者や中等症のうち重症化リスクの高い患者らに限定し、自宅療養を基本とするよう方針転換したことについて、事前に「相談はなかった」と明らかにした。
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無断で外出したが「抜け出してはいない」、食品ロスは生じているが、「廃棄ではない」―。東京五輪で運営の不備を追求する報道陣に対し、東京五輪・パラリンピック組織委員会が理解しづらい解釈や定義を用いて反論を繰り返している。インターネットでは論点をずらして逃げる、安倍晋三前首相の「ご飯論法」と重ね合わせる声も。批判を正面から受け止めず、自己防衛に終始する姿勢に国民の不安や疑問は置いてきぼりだ。(原田遼) 組織委員会は大会中、毎日午前11時に定例会見を実施し、広報担当の高谷正哲スポークスパーソンが報道陣の質問に答える。しかし、新型コロナウイルス対策や運営の不備についての質問には「現在、把握できていない」と回答を保留するケースも目立つ。その場合、数時間後に各社の担当者に高谷氏からメールで回答などが配信されるが、質問に答えていないと報道陣に不評だ。
東京五輪で日本選手の活躍が続く中、都内での新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。東京の新規感染者は31日、4058人で最多を更新。都は感染者の半数を占める20代や30代、重症者が多い50代を中心に外出自粛などの呼び掛けを強める。しかし、週末夜の新橋ではサラリーマンらが五輪中継を見ながらグラスにビールを注ぎ、休日の原宿は大勢の若者たちでにぎわっていた。(米田怜央、山口登史)
菅義偉首相は30日の記者会見で、東京五輪を中止しない考えをあらためて示した。だが、本紙が開幕前の4月以降、首相の会見で繰り返し質問した感染拡大につながるリスクへの認識や、開催の可否を判断する基準は一度も正面から説明していない。国民の不安と疑問に向き合わず、感染拡大を抑えることもできず、自ら「異例」と認める緊急事態宣言下の五輪に突入した責任にも言及しないままだ。(木谷孝洋)
東京都は30日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が8月末まで延長されるのに伴い、対策本部会議を開き、延長後も引き続き飲食店に酒類提供停止を要請する感染防止策を決定した。小池百合子知事は「これ以上の感染拡大を食い止めなければならない」と強調。一方で、当面の感染急増を抑えるための新たな措置は盛り込まなかった。 30日に報告された都内の新規感染者数は3300人で、3日連続で3000人超。入院者数も3100人を上回り、自宅療養者数も9800人近くに達している。 小池知事は30日の定例会見や本部会議後の取材で「病床の確保や宿泊療養施設の拡充を進めている」とし、自宅療養者の健康観察を担う看護師を増強する方針を表明。人出の抑制については、テレワークの徹底などを求めていくとした。 また「ワクチンが行き渡るまでが勝負。この夏を最後のステイホームに」としてあらためて外出自粛を要請。一方で、感染者が増加して
新型コロナウイルスの感染者数が過去最多の3000人台に突入した東京都のモニタリング会議が29日開かれ、緊急事態宣言の前後を比べた繁華街の滞留人口の減り幅が、前回(3回目)の宣言時の4割程度にとどまっていることが報告された。小池百合子知事は減り幅の鈍さと、開催中の東京五輪との関連を問われ「オリンピックはとてもステイホーム率を上げている」と減り幅の鈍さとの関連を否定した。 ただ専門家からは、五輪について「お祭りが行われているメッセージ」となって、人流減少の鈍さにつながっている可能性を指摘する声もあり、見解は分かれている。モニタリング会議後に公表された29日の新規感染者数は3865人となり、3日連続で過去最多を更新した。
菅義偉首相は29日、新型コロナウイルスの感染急拡大と東京五輪の因果関係について官邸で記者団に「ないと思っている」と否定した。記者が「五輪の開催が今回の感染者数に影響を与えていない、因果関係がないという論拠を聞かせてほしい」と尋ねたのに答えた。 首相は「五輪で人流が増えたり、外国の方から感染が広がったりするのを避けるための水際対策はしっかりやっている」と強調した。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は同日の参院内閣委員会で、五輪が感染拡大の要因の1つだと指摘したが、それとは異なる見解を示した。 首相が6月の参院決算委で、国民の生命と健康を守ることが五輪開催の前提だと答弁していたことに関連し、今の状態は前提が守られているかを記者から問われ「前提の中で最大限の努力をしている。当時20%だった高齢者の重症者は、今は3%を切る時もある」と回答。今後の対策として「ワクチン接種や抗体カクテル療法など準
菅義偉首相は28日、新型コロナウイルスの全国的な感染急拡大を受けて、西村康稔経済再生担当相、田村憲久厚生労働相ら関係閣僚と行った協議内容について、記者団に説明しなかった。この日は、東京都で確認された新規感染者が初めて3000人を超えたが、官邸側は「本日はお答えする内容がない」(首相秘書官)として、首相の取材対応を拒否した。
東京都の小池百合子知事は28日、都庁で報道陣の取材に応じ、新型コロナウイルスの新規感染者数が27日に過去最多の2848人となり、増加傾向に歯止めがかからないことについて「ワクチンを、ぜひ若い方も打っていただきたい」と接種を呼び掛けた。 小池知事は、ワクチンを受けた高齢者が感染し重症になる割合が大幅に低下していることに言及した上で、「逆にワクチンを受けていないけれど、重症、中等症になる若い世代が増えている」と指摘。「若い方々の行動パターンが、鍵を握っている。自分がよければではなくて、結果として人にうつすと、医療体制が逼迫(ひっぱく)する。去年の夏も、年末も、お正月も、ゴールデンウィークもなく、ずーっと頑張っている医療従事者のことも考えていただきたい」と協力を訴えた。 医療体制にかかっている負荷についての認識については「基本的に、3つの柱でやっている。自宅、ホテルなどの宿泊療養施設、そして病院
1964年の東京五輪の開会式を見て、当時の国内の著名作家たちは、さまざまな文章をつづり、記録し、表現した。そして2021年の東京五輪は―。作家の中村文則さん(43)に、23日夜の開会式を見た後で、寄稿してもらった。 なかむら・ふみのり 作家。1977年、愛知県生まれ。福島大卒。2002年に「銃」で新潮新人賞を受賞しデビュー。05年、「土の中の子供」で芥川賞。20年、中日文化賞。主な著書に「掏摸(スリ)」(大江健三郎賞)「教団X」「逃亡者」など。東京都在住。
東京五輪の無観客開催で、街頭での道案内など従来の役割がなくなった約3万人の都市ボランティアに対し、都が示すとしていた「新たな活動」について、大会開幕2日前になっても連絡が行われていないことが分かった。都オリンピック・パラリンピック準備局は「できるだけ早くお伝えしたい」としているものの、五輪の開幕に間に合うかは「分からない」と説明。ボランティアからは戸惑いの声が上がっている。(岡本太、原昌志)
東京都議選(定数127)は7月4日に投開票が行われた。271人が立候補。無投票で当選が決まった小平市選挙区(定数2)をのぞく、残る41選挙区で125議席を争った。焦点だった、自民、公明両党での過半数の64議席獲得はならず、小池百合子知事が特別顧問を務める都議会第1党・都民ファーストの会は第2党に後退した。コロナ禍の今回の投票率は42.39%で過去2番目に低かった。議席の行方や投票率の行方を速報した。(デジタル編集部) 東京都議選が告示され第一声を上げる(上段左から)都民ファーストの会の荒木千陽代表、自民党の菅義偉首相、公明党の山口那津男代表、共産党の志位和夫委員長、立憲民主党の枝野幸男代表、(下段左から)東京・生活者ネットワークの山内玲子共同代表、日本維新の会の片山虎之助共同代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、嵐の党の立花孝志党首、れいわ新選組の山本太郎代表=いずれも都内で
東京五輪・パラリンピックの選手ら訪日関係者向けに開発している健康管理アプリ(オリパラアプリ)の事業費や国民から「ありがた迷惑」などと批判の声が上がった、いわゆる「アベノマスク」の配布などを巡り、国会による会計検査院への検査要請が見送られることとなった。参院決算委員会で、契約の妥当性を調べるよう提出した野党の要請案に、「(同院の)検査事項が多い」として与党が同意しなかったためだ。(坂田奈央) 会計検査院への検査要請項目の決議は、全会派一致が慣例。野党は①全戸に2枚ずつ布マスクを配布した事業の詳細な経費をはじめ、②当初は73億円の事業費だったオリパラアプリなど新システムの契約手続きや管理③給付金事業の事務費④予備費の使用―について検査を求めた。だが、いずれも与党が同意せず、予備費に関しては政府に適切な措置を求める「措置要求決議」にとどまった。 決議に向けた協議は与野党の委員会理事らの間で行われ
【ニューヨーク共同】東京五輪を巡り、米国向け放送権を持つ米NBCユニバーサルのジェフ・シェル最高経営責任者(CEO)は15日までに、同社にとって「最も利益の高い五輪になる可能性がある」との見方を示した。新型コロナウイルスの影響が懸念されているが「開会式が始まれば、みんなすべてを忘れて楽しむだろう」とも述べた。米メディアが伝えた。 同氏は14日、大手金融機関が主催した会議で、過去の五輪もさまざまな問題を抱えていたと指摘した上で「五輪が開催されることに自信を持っている」と強調した。 東京五輪でNBCユニバーサルは、テレビやネットを通じ、延べ約7000時間の放送を予定。シェル氏は、視聴率は米国選手の活躍次第だとしつつ「五輪に勝る番組はない。17日間、毎晩、(関心を)独占できるから」と述べた。
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