「デジタルアーカイブ」という言葉が再び脚光を浴びるようになってきている。人文学におけるデジタル化に関わる者としてはありがたい限りである。古典資料に関しては国文学研究資料館で巨大プロジェクトが動き出しており、科研費の基盤研究でも大型の研究助成金がつけられており、さらには「アーカイブ立国宣言」も出たところである。90年代半ばに肩身の狭い思いをしながら細々とこの種の仕事に取り組んでいた身としては隔世の感がある。 さて、資金がきちんと提供されてデジタル化が進むこと自体は大変ありがたいことなのだが、すぐに終わるものではなく、また、デジタル化されるべきものは継続的に生成されることにもなるので、事業としてきちんと継続していってもらわなければ困る。継続するために必要なのは「これによって何かの役に立った」ことを明らかにできることが手っ取り早いだろう。もちろん、アーカイブの本質から言えば(それどころか人文学・