ブックマーク / xtech.nikkei.com (244)

  • 55億円無駄に、特許庁の失敗

    政府システム調達における失敗の典型例が、特許庁の基幹系システム刷新プロジェクトだ。5年がかりで臨んだが、結局は55億円を無駄にしただけ。新システムは完成しなかった。失敗の最大の要因は、発注者である特許庁にあった(図1)。関係者の証言から、失敗に至る経過を改めてひもとく。 特許庁は2004年、政府が打ち出した「業務・システム最適化計画」に沿って、特許審査や原保管といった業務を支援する基幹系システムの全面刷新を計画した。システムアーキテクチャーに詳しい情報システム部門のある職員(以下A職員)と、刷新の「可能性調査」を担ったIBMビジネスコンサルティングサービス(現・日IBM)を中心に、調達仕様書を作成した。 業務プロセスを大幅に見直し、2年かかっていた特許審査を半分の1年で完了することを目指した。度重なる改修によって複雑に入り組んだ記録原データベース(DB)の一元化に加え、検索や格納など

    55億円無駄に、特許庁の失敗
  • 加速度センサーで“やる気”を測定、日立中央研究所が実証実験

    日立製作所の中央研究所(東京都国分寺市)はオフィス内の社員の仕事状況を可視化して業務改善に役立てる「ビジネス顕微鏡」の研究・開発を加速している。2007年から、大阪ガスやドイツの銀行など様々な企業オフィスで実証実験を開始。2008年にはコクヨオフィスシステム(東京都千代田区)などと提携し、さらに幅広いオフィスで検証を始めた。 ビジネス顕微鏡はオフィスの各社員が装着するセンサー付きの名札と、ここから随時得られる情報を格納するデータセンターで構成される。名札には、集音用のマイク、温度計、照度計など様々なセンサーと、データセンターへ情報を発信するための無線機が付いている。「特に赤外線センサーと加速度センサーを重視している」(矢野和男・主管研究長)という。 赤外線センサーでは誰と誰がコミュニケーションしているかを検知する。例えばAさんとBさんが向かい合ったり近くにいたりする時は、AさんとBさんの名

    加速度センサーで“やる気”を測定、日立中央研究所が実証実験
  • 島根県がリーン・スタートアップによるパートナー型ビジネス創出支援、新たに2件採択

    島根県は2012年9月14日、「パートナー型ビジネス創出支援事業」の採択事業第2号および第3号を発表した。建設業向けeラーニング事業と、自動車学校向け学習支援システム開発事業の2件を採択。開発費用の半分を最大1000万円まで補助金として交付する。第1号としては婚活応援システムが採択されている(関連記事)。 「パートナー型ビジネス創出支援事業」は、島根県が2012年度から開始した、県内の産業振興を目的とした施策。県内に事業所を置くサービス事業者と、県内のIT企業が連携し、新しいビジネスモデルを創出する取り組みを支援する。永和システムマネジメント(関連記事)やソニックガーデン(関連記事)が取り組んでいるビジネスモデルを参考にしている。 建設業向けeラーニング事業は、松江市藤井基礎設計事務所が実施する。事業名は「Eラーニングによる建設系継続教育事業(Net CPD「ミニツク」)」。システム開発は

    島根県がリーン・スタートアップによるパートナー型ビジネス創出支援、新たに2件採択
  • “地図のWikipedia”OpenStreetMapの国際会議が日本で初開催

    ボランティアによる地図作成プロジェクトOpenStreetMapの国際会議「State of the Map(SotM) 2012 Tokyo」が2012年9月6日から8日までの3日間、東京大学駒場キャンパスで開催された。日で開催される初のSotM。創始者Steve Coast氏をはじめとして、28カ国から参加者が集まった。

    “地図のWikipedia”OpenStreetMapの国際会議が日本で初開催
  • シリコンバレーの秘密の歴史(3)――私たちは、聞いたこともない戦争を戦った

    ブランク氏が著した「シリコンバレーの秘密の歴史」シリーズでは、これまでシリコンバレーの起源が、第2次世界大戦やそれ以前までさかのぼること、その中心人物がスタンフォード大学のターマン教授であることを紹介しました。今回は、彼がスタンフォード大学に研究所を新設したときの時代背景を記しています。(ITpro) 今後数回のブログを通じて、ある大学教授が戦争から戻り、スタンフォード大学を次の戦争にかかわらせたという、これまで語られることのなかった壮大な物語をお伝えします。私たちが現在知っているようなシリコンバレーやベンチャー・キャピタル、アントレプレナーシップの基盤は、ここから偶然にも築かれたのでした。 この投稿では、二つの異なった時期を説明します。最初は「マイクロウエーブ・バレー」の発展期で、スタンフォード大学がベイエリア(シリコンバレーの別称)で軍事と産業の中枢になった1946年~1956年までの

    シリコンバレーの秘密の歴史(3)――私たちは、聞いたこともない戦争を戦った
  • アプリを解析して脆弱性を調べる

    Javaのアプリケーションは解析しやすいという特徴があります。アプリを解析できれば、脆弱性が含まれていないかどうかを判断し、よりセキュリティを高めることができます。特集の最後に、アプリケーションを解析するためのツールと、その方法を説明します。 アプリを解凍する Androidアプリは、apkというファイルにパッケージングされています。このapkファイルは、ZIP形式でアーカイブされたもので、解凍ソフトで展開できます。apkファイルを展開してみると、いくつかのファイルが現れます(図15)。 META-INF/ディレクトリですが、パッケージに署名をしている場合にこのディレクトリが作成されて、署名に関係するファイルが入っています。res/ディレクトリ内のファイルとresources.arscは、アプリケーションで使用している画像やレイアウト、文字列などのリソースファイルがバイナリ形式になったもの

    アプリを解析して脆弱性を調べる
  • 都市の縮小で「存亡の危機」回避へ、夕張市

    予算上、建設事業費が将来、「ゼロ」になる自治体がある。2007年に財政再建団体に指定された北海道夕張市だ(現在は財政再生団体)。再生期間中の予算計画を示す「財政再生計画書」。今年6月に変更された最新版によると、10年度に30億円近くあった建設事業費が、16年度には1億円以下に減少。25年度からはついにゼロになる。

    都市の縮小で「存亡の危機」回避へ、夕張市
  • ファーストサーバ最終報告書、ベテラン担当者のマニュアル無視を黙認

    ヤフー子会社のファーストサーバは2012年7月31日、6月20日に発生した大規模障害(関連記事)についての調査報告書(最終報告書)を公表した(写真)。報告書は、ファーストサーバに利害関係のない3人の委員による「第三者調査委員会」(関連記事)が作成した。同社Webサイトに「要約版」を掲載している。 報告書は調査対象とする事故を、6月20日に発生した「第1事故」と、第1事故で消失したデータが想定外の場所に復元された「第2事故」(関連記事)の2つとしている。 1人だけ自作プログラムでメンテナンス 報告書は、第1事故の事実関係について次のように言及している。ファーストサーバではシステム変更を実行する際、社内マニュアルに沿って実行することになっており、第1事故の原因となったシステム変更の担当者(A氏)以外は社内マニュアルに従っていた。 ところが、A氏だけはマニュアルに従わず、自作の「更新プログラム」

    ファーストサーバ最終報告書、ベテラン担当者のマニュアル無視を黙認
  • [インタビュー]方法論至上主義に警鐘、急成長「LINE」を生んだ企画プロセス

    新事業、新サービスを開発する際に必要なものは何か。最近注目を集めるコミュニケーションサービス「LINE」やキュレーション・プラットフォーム「NAVERまとめ」などの開発に携わったNHN Japan執行役員の島村武志氏(写真1)に、新サービス開発の実践方法、リーダーの役割を聞いた。 新しいサービスや事業を始めるときに意識しているのはどんなことでしょうか。 最初の戦略的な立場が肝になります。最終的なゴールがどれくらいの規模になるのかイメージできないと、どう投資すればいいか分かりません。 最大の可能性から逆算的に今やることを考える 私たちが開発したNAVERまとめやLINEは、無計画に始めたわけではなく、獲得できる最大のパイを最初に考え、逆算的に今やることを考えました。LINEそのものが最初から考えられてきたというよりは、漠然と「基盤を作らないといけない」というゴールがあって、そのゴールに向けた

    [インタビュー]方法論至上主義に警鐘、急成長「LINE」を生んだ企画プロセス
  • なぜ、Facebookがシリコンバレーを殺そうとしているのでしょうか?

    Facebookの新規株式公開(IPO)が注目を集めていますが、ブランク氏はベンチャーキャピタル(VC)の投資がソーシャルメディア一辺倒になることを懸念しています。それ以外の科学技術分野への投資がなくなってしまうからです。それでも、同氏はシリコンバレーの歴史を振り返り、ソーシャルメディアの次の波の到来を期待しています。(ITpro) 「私たちはこれからの10年間に、月に行くこと、さらに、それ以外のことも成し遂げることを決めました。それは実現しやすいからではなく、むしろ難しいからです。そして、その目標が、我が国最高の活力と技能を体系化し、評価するものだからです。私たちはその挑戦を喜んで受けとめ、その挑戦を引き伸ばすことを望まず、勝利を収める覚悟なのです」――1962年9月、ジョン・F・ケネディー(訳者注:ケネディー大統領が1962年9月12日にライス大学で、1960年代中に「月に行く」と決意

    なぜ、Facebookがシリコンバレーを殺そうとしているのでしょうか?
  • Android開発の頭痛の種、「全端末検証」を可能にする請負サービスをシフトが展示

    2012年5月9日から11日までの3日間、IT関連の総合展示会「2012 Japan IT Week 春」が東京ビッグサイトで開催された。その中の一つ、「第2回スマートフォン&モバイル EXPO 春」のシフトブースでは、Androidアプリの動作検証テストを請け負うサービスの実演展示を実施。コスプレ姿の社員によるデモンストレーションが目立つこともあって、多くの来場者の注目を集めていた(写真)。 Androidアプリ開発者が抱えている悩みの一つに、「OSのバージョンや端末の種類がたくさんありすぎて、動作検証をするのが困難」というものがある。国内の通信事業者が販売している端末に限っても、既に100機種前後が存在し、よほど規模の大きなベンダーでなければ自前で端末を揃えて検証するのがかなり難しい状況になっている。 シフトでは、国内の主要な通信事業者が販売するスマートフォンを94機種144種類以上(

    Android開発の頭痛の種、「全端末検証」を可能にする請負サービスをシフトが展示
  • 第6回 「Android 4.0」をPCの仮想マシン上で動かす(中編)

    グーグルがオープンソースで開発を進めているモバイル機器向けOS「Android」。その最新バージョンが「Android 4.0」である。連載第5回に引き続き、Android 4.0のx86パソコン向けOSイメージを米オラクルの無償仮想化ソフト「Oracle VM VirtualBox」(以下、VirtualBox)の仮想マシンにインストールする方法を紹介していく。 仮想マシンの電源を投入してOSインストール開始 前回は、OSインストール用のISOイメージファイルを入手し、Android 4.0向けにVirtualBoxの仮想マシンを新規作成、設定を施すところまでを解説した。ここまで作業を終えれば、OSインストールを始めるための準備は万端である。VirtualBoxマネージャーの「起動」ボタン(右向きの矢印アイコン)をクリックして仮想マシンの電源を投入しよう(写真1)。

    第6回 「Android 4.0」をPCの仮想マシン上で動かす(中編)
  • ドワンゴ、ニコニコアプリなどの家電対応強化で新会社設立

    ドワンゴは2012年5月7日、niconico事業の家電、電子機器向けサービス開発体制を強化するために、新会社「キテラス」を設立したと発表した。資金は6000万円で、代表取締役社長にはドワンゴのニコニコ事業部コンシューマーエレクトロニクス事業部長の鈴木慎之介氏が就任した。 ドワンゴは従来、ニコニコ動画をはじめとするniconico関連サービスの視聴アプリとしてPlayStaition Vita用の「ニコニコ」、ソニーの液晶テレビ「ブラビア」向けの「アプリキャスト版ニコニコ実況アプリ」などを提供してきた。2012年4月28日、29日に開催したイベント「ニコニコ超会議」では、ブラビアやパナソニックのビエラで放送画面にコメントをオーバーレイできるアプリを参考出展している(関連記事)。 同社では、こうしたテレビ端末やゲーム機といったコンシューマエレクトロニクスを対象としたサービス対応をより積極

    ドワンゴ、ニコニコアプリなどの家電対応強化で新会社設立
  • 画像編集ソフト新版「GIMP 2.8」公開、使い勝手を改善

    The GIMP Teamは2012年5月3日、市販ソフト並みに高機能な画像編集ソフトの新版「GIMP 2.8」を公開した(写真1)。約3年半ぶりのメジャーアップデートになる。現在、LinuxなどのOS上でビルドして使えるソースアーカイブ(ソースコードをまとめて圧縮したもの)、Windowsのバイナリーファイルおよびインストーラ付きのユーザーマニュアル(日語あり)が、GIMPの公式サイトから入手できる。 GIMP 2.8では、旧版に比べて主に使い勝手の面が改善されている。まず「シングルウィンドウモード」が追加された。GIMPは、画像の編集作業をする「イメージウィンドウ」と、筆やペンなどの編集作業ツールをまとめた「ツールボックス」、レイヤー管理、ブラシやパターンを変更するダイアログをまとめた「ドッグウィンドウ」などのウィンドウに分かれていた。ツールバーの「ウィンドウ」-「シングルウィンドウ

    画像編集ソフト新版「GIMP 2.8」公開、使い勝手を改善
  • 「ユーザーストーリー」による要件定義手法、永和システムが普及活動開始

    これまで日で比較的情報が少なかった「ユーザーストーリー」という要件定義手法の普及に永和システムマネジメントが乗り出した。2012年5月22日、同手法のノウハウを学ぶセミナーを初めて開催する。一般企業の情報システム部門が主な対象。 同社によれば、ユーザーストーリー手法について海外では『User Stories Applied』などの解説書が発刊されているが、国内では情報が少ない。要件定義のフェーズで起こりがちな「要求が当に妥当か分からない」、あるいはアジャイル開発を進める途中での「予算に合わせて柔軟にスコープを変更したい」といった課題の解決にも役立つという。 具体的には、「現在の業務フローを書き出す」「関係者が要求を提示する」「要求事項を業務フローにマッピングしながら、あるべきフローを作る」「あるべきフローから、利用シーンを抽出する」「利用シーンごとにストーリーを洗い出す」「ストーリーの

    「ユーザーストーリー」による要件定義手法、永和システムが普及活動開始
  • スルガ銀が事実上の全面勝訴 IBMの責任認めた判決の深層

    勘定系システムの開発失敗を巡りスルガ銀行が日IBMを訴えた裁判で、東京地方裁判所は3月29日に約74億円の賠償を日IBMに命じる判決を下した。4年間にわたった裁判は、ITベンダーとユーザー企業にそれぞれどのような教訓を残したのか。弁護士やIT業界の有識者への取材から、スルガ銀-IBM裁判の深層を探る。 「ある程度は過失相殺が認められると思ったが」。システム開発をめぐる紛争に詳しい、ある弁護士は、驚きを隠さない。勘定系システムの刷新プロジェクトが頓挫したことによって損失を受けたとして、スルガ銀行が委託先の日IBMに約115億円の損害賠償を求めた裁判の判決についてだ。東京地方裁判所は2012年3月29日、日IBMに約74億円の支払いを命じた。 金額だけを見ると、スルガ銀の請求のうち64%しか認められなかったように見える。だが実態は、スルガ銀の全面勝訴に限りなく近い。なぜなら、64%とい

    スルガ銀が事実上の全面勝訴 IBMの責任認めた判決の深層
  • 開発期間を半減させた現代海上

    BRMS(ビジネスルール管理システム)を導入するのはサムスングループだけではない。「現代自動車、現代重工業など、現代系のグループ会社でBRMSを全面導入していく」。こう意気込むのは現代HDSでシステム事業部のマネージング・ディレクターを務めるユン・ヨンチュン氏である(写真)。 BRMSを幅広い業務で積極的に活用 現代HDSは現代海上火災保険のシステムについて企画から運用までを一手に引き受けるシステム子会社だ。現代海上は業界2位の損害保険会社で、ユン氏は2011年まで現代海上のCIO(最高情報責任者)を務めていた。同氏は過去、5年間ほど現代海上の日支社に勤務していた経験もある。 「BRMSの活用範囲の広さでは韓国一」とイノルールズのシム・ヒョンソプ副社長が証言するほど、現代海上はBRMSを積極的に活用している。2010年2月に各種損害保険の契約管理と支払い、経理の3システムを、innoR

    開発期間を半減させた現代海上
  • 要件決めの極意

    システム開発プロジェクトの要件定義フェーズでは、ITエンジニアは利用部門から問題や要望をヒアリングする。さらにそれを基に、真の問題とその解決策となる新しい業務やシステムについての仮説を立て、要件の「検討会議」に臨む。この検討会議では、各利用部門の代表者としてそれぞれのキーパーソン数人が何回かにわたって集まり、集中的に要件を決めていく。 ITエンジニアにとって、この検討会議における最大のテーマは、何といっても合意形成である。このときの合意形成がしっかりしていないと、後の工程で仕様変更の原因になりかねない。 ただし合意形成は容易ではない。例えば、利用部門のキーパーソンとはいえない人が選ばれて出席してくる。参加者の間で意見対立が生じたり、要件についての解釈が参加者によって異なったりする。結論が出ても、納得していない参加者がいる。検討会議の結果について、各利用部門の部門長の承認がなかなか得られない

    要件決めの極意
  • JAXAの宇宙科学研がHadoop採用 衛星データの更新時間を9分の1に

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所が、オープンソースソフトウエアの分散バッチ処理ソフト「Hadoop」を採用した情報分析システムの構築を進めている(図)。

    JAXAの宇宙科学研がHadoop採用 衛星データの更新時間を9分の1に
  • 超高速開発先進国、知られざる韓国企業の実態

    サムスンやLG、現代自動車といった韓国の企業グループ。素早い経営判断で知られるが、日経コンピュータの取材によってその素早さの一端が見えてきた。各社に共通するのはBRMS(ビジネスルール管理システム)と呼ぶ超高速開発ツールを使い、ビジネスのアイデアを着想してから実行に移すまでのスピードを向上させていること。世界でも有数のBRMS先進国である韓国。各社の知られざる活用の実態に迫る。 目次

    超高速開発先進国、知られざる韓国企業の実態