ブックマーク / blog.tokumaru.org (11)

  • bcryptの72文字制限をSHA-512ハッシュで回避する方式の注意点

    宅ふぁいる便から平文パスワードが漏洩した件を受けて、あらためてパスワードの安全な保存方法が関心を集めています。現在のパスワード保存のベストプラクティスは、パスワード保存に特化したハッシュ関数(ソルトやストレッチングも用いる)であるbcryptやArgon2などを用いることです。PHPの場合は、PHP5.5以降で使用できるpassword_hash関数が非常に便利ですし、他の言語やアプリケーションフレームワークでも、それぞれ用意されているパスワード保護の機能を使うことはパスワード保護の第一選択肢となります。 なかでもbcryptは、PHPのpassword_hash関数のデフォルトアルゴリズムである他、他の言語でも安全なハッシュ保存機能として広く利用されていますが、パスワードが最大72文字で切り詰められるという実装上の特性があり、その点が気になる人もいるようです(この制限はDoS脆弱性回避が

    bcryptの72文字制限をSHA-512ハッシュで回避する方式の注意点
  • 秀丸マクロを生成する秀スクリプトという言語処理系を作った

    エグゼクティブサマリ 秀スクリプトという小さな言語処理系を開発した。秀スクリプトは、TypeScriptを大幅に縮小した文法を持ち、コンパイラによって秀丸マクロに変換され、秀丸上で実行される。秀スクリプトコンパイラは秀スクリプト自身により記述される。 秀スクリプトの主な特徴は下記のとおり。 TypeScriptに似た文法を持ち、コンパイラも秀スクリプトで記述されている 秀丸マクロを生成し、秀丸上で実行される TypeScript同様、変数に型がある 数値(整数)型と文字列型、これらの配列をサポート if、while、do … whileの制御構造 関数のサポート はじめに Windows上で使用するエディタとして長年秀丸を愛用しています。最近はVisual Studio Codeなども人気で、僕もインストールして使ってみたりはするのですが、長年手に馴染んだツールというのは、中々乗り換えが難

    秀丸マクロを生成する秀スクリプトという言語処理系を作った
  • teratailに投稿されたメールフォームにCSRF脆弱性が残存した理由 | 徳丸浩の日記

    teratailに以下のような投稿がありました。 PHPでメールフォームを作成したので、脆弱性がないかアドバイスいただけないでしょうか。 エンジニアでもなければ、PHPもろくに書けない雑魚ですが、「php メールフォーム 作り方」でググって表示されるサイトを見ると、「んんんんん???」と思うところがあります。 これらを参考にしたり、コピペする方は、記述されているコードの良し悪しは判断できないかと思います。 そのような方々が参考にできるメールフォームを作りたいという思いで、調べて作りました。 周りに書いたコードを確認してもらえる人もいないので、皆様からのアドバイスがほしいです((_ _ (´ω` )ペコ 【PHP】作成したメールフォームに脆弱性がないか、アドバイスもらえないでしょうかより引用 どれどれ…と確認すると、トークンのチェックが入っているにも関わらずクロスサイト・リクエストフォージ

  • 「10日でおぼえるPHP入門教室 第4版」はセキュリティ面で高評価

    弊社社の麻布十番移転に伴い、社近くの麻布図書館を利用しています。麻布図書館は土地柄のイメージにあう瀟洒な建物で、蔵書がない場合は港区の他の図書館から取り寄せ(無料です)ができますので、よく利用しています。今回は、山田祥寛さんの「10日でおぼえるPHP入門教室 第4版 」を借りて読んでみました。一読して、書がセキュリティにもよく配慮されていることがわかりましたので、以下にご紹介したいと思います。 クロスサイトスクリプティング(XSS) 表示の際にHTMLエスケープするという原則を忠実に守っています。そのため、下記の e() という関数を定義して呼び出しています。 function e($str, $charset = 'UTF-8') { return htmlspecialchars($str, ENT_QUOTES, $charset); } その他にもXSS対策として重要な下記の

  • 『例えば、PHPを避ける』以降PHPはどれだけ安全になったか

    この記事はPHPアドベントカレンダー2014の22日目の記事です 。 2002年3月に公開されたIPAの人気コンテンツ「セキュアプログラミング講座」が2007年6月に大幅に更新されました。そして、その一節がPHPerたちを激しく刺激することになります。 (1) プログラミング言語の選択 1) 例えば、PHPを避ける 短時日で素早くサイトを立ち上げることのみに着目するのであれば、PHPは悪い処理系ではない。しかし、これまで多くの脆弱性を生んできた経緯があり、改善が進んでいるとはいえまだ十分堅固とは言えない。 セキュアプログラミング講座(アーカイブ)より引用 「PHPを避ける」とまで言われてしまったわけで、当然ながらネット界隈では炎上を起こし、現在はもう少しマイルドな表現に変わっています(参照)。 稿では、当時のPHPの状況を振り返る手段として、この後PHPセキュリティ機能がどのように変化

  • Ruby on Railsのfind_by_*メソッドにSQLインジェクション脆弱性(CVE-2012-5664) | 徳丸浩の日記

    Ruby on Rails(3.2.9, 3.1.8, 3.0.17以前)のfind_by_*メソッドにSQLインジェクション脆弱性が見つかりました(CVE-2012-5664)。このエントリではその概要と対策について説明します。 概要 Ruby on Railsのfind_by_*メソッドの引数としてハッシュを指定することで、任意のSELECT文を実行できる脆弱性があります。 検証 Ruby on Rails3.2.9の環境を用意して、以下の2つのモデルを用意しました。 $ rails g scaffold user name:string email:string $ rails g scaffold book author:string title:string モデルUserは個人情報を保持しており、自分自身の情報のみが閲覧できるという想定です。モデルBookは書誌データベースであ

    Ruby on Railsのfind_by_*メソッドにSQLインジェクション脆弱性(CVE-2012-5664) | 徳丸浩の日記
  • PHPの入門書を書くことになりました&レビュアー募集のお知らせ

    PHPの入門書をソフトバンククリエイティブさん出すことになりました。かねがね、PHPの入門書がよろしくないという問題意識を持ち、かつ色々な場でお話ししておりましたが、またしても「言い出しっぺの法則」が発動して、自分で書くことになりました。 PHPの入門書を(たぶん)10冊以上読んで(あるいは眺めて)、以下のような感触を持っています。 ものすごく初歩的なは悪くないが、行き着くゴールが極めて限定される SQLなどまで行き着く入門書は、後述する欠点を持つ傾向がある 中級者・上級者向けについては、良いものが出て来た PHP入門書の欠点というのは以下のようなものです。私の読んだPHP入門書は、次のいずれかに該当します。 執筆者のスキルが低いために説明やサンプルの品質が低い 執筆者のスキルは高いはずだが、説明のスキルが低く、不正確 執筆者のスキルが高く説明も正確だが、初心者には難しく入門書でなくなっ

  • IPAからAndroidアプリの脆弱性に関するレポート出ました

    Androidアプリを作っている(作ってもらっている)けど、脆弱性が心配」という声はtwitterでも目にすることがあります。そして、「『安全なウェブサイトの作り方のAndroidアプリ版』があったらいいのに」という希望を目にしたこともあります。 6月13日にIPAから公表された「IPA テクニカルウォッチ『Androidアプリの脆弱性』に関するレポート」は、この『安全なウェブサイトの作り方のAndroidアプリ版』に相当する位置づけのドキュメントです。なぜそう思うかというと、以下の性格が『安全なウェブサイトの作り方』と共通するからです。 Androidアプリの基的な問題に絞っている 届出の多い脆弱性にフォーカスしている 以下、もう少し詳しく紹介します。 Androidアプリの脆弱性とは何か 同レポートでは、Androidアプリの脆弱性を以下のように定義しています(同書P3)。 ■ 「

    IPAからAndroidアプリの脆弱性に関するレポート出ました
  • 情報処理試験問題に学ぶJavaScriptのXSS対策

    指摘事項A中の(a)は、他を見なくても「セキュア」属性だと分かりますね。徳丸(体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方)では、4.8.2クッキーのセキュア属性不備(P209)に説明があります。 指摘事項Bは、ここだけ読むと、XSSのようでもあり、サーバーサイドのスクリプトインジェクションのようでもありますが、検査ログからXSSであることがわかります(下図はIPAからの引用)。XSSは、徳丸4.3.1クロスサイトスクリプティング(基編)と4.3.2クロスサイトスクリプティング(発展編)にて説明しています。 ここまでは、ごく基的な問題ですが、問題文P6に出てくる以下の部分は、少しだけひねってますね。 このプログラムは、利用者が入力した文字列をダイアログに表示するために、受け取ったパラメタの値をスクリプトに埋め込み、動的にスクリプトを生成する。図4の(   c    )行目では

    情報処理試験問題に学ぶJavaScriptのXSS対策
  • PHPの組み込み関数で例外を発生させる方法

    このエントリではPHPの組み込み関数でエラー時に例外を発生させる方法を紹介します。デフォルト状態では、PHPの組み込み関数の大半はエラー時に例外を発生させません。 前のエントリで、PHPのheader関数は戻り値を返さず、エラー時に例外も発生させないことを紹介しました。これは酷い仕様だと思うのですが、どうすればエラーハンドリングできるかを考えてみました。 header関数の場合、エラー(警告)そのものは出ているので、以下の二つの方法が候補として考えられます。 error_get_last関数で直近のエラーを取得してエラー処理する set_error_handlerで定義したエラーハンドラ関数でエラー処理する どちらもモダンな書き方とはほど遠い感じです。 前者は、BASICのon error resume nextを連想させますし、直近のエラーがどの箇所で起こったかは簡単には識別できないので

  • 難読化していないAndroidアプリケーションは脆弱性か

    このエントリでは、Androidアプリケーションにおいて、難読化が施されていない場合、脆弱性にあたるかについて議論します。 はじめに Androidアプリケーションは主にJava言語で記述され、DEX形式のファイルにコンパイルされたコードを、DalvikというJava互換VM上で実行します。DEXおよびAPKファイルの仕様は公開されており、DEXにはクラスやメソッド等のシンボル名も含まれているため、リバースエンジニアリングが容易であると言われています。このため、Android SDKには標準でProGuardという難読化ツールが添付されています。 それでは、難読化の目的はそもそも何で、難読化でその目的は達成されるのでしょうか。 難読化の目的 Webアプリケーションの場合は、重要なロジックは主にサーバー側に存在するため、ソースコードを外部から取得することはできません。これに対して、スマートフ

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