言うのも恥ずかしい話だが、二十代前半のころ「酒豪キャラ」に憧れていた。 正攻法でモテることができない、もしくは正攻法でモテている人間をバカにしている人間は、エキセントリックなキャラ作りをしてしまいがちなところがある。 だがストレートすら投げられない奴が魔球をマスターできるわけがないのだ。 「個性」と「奇行」を混同してはいけない。大体は常識あってこその個性であり、個性だけで勝ち抜けるのは、ジョブズ級の才気を持っている奴だけである。 よって、当時は居酒屋に行くと、アルコールメニューを端から全部頼むなどして豪傑ぶりをアピールしていたが、今思えば、カクテルやチューハイメニューしか頼んでおらず、逆に「ジュースみたいな酒しか飲めない」ことを猛烈にアピってしまっていたような気がする。 しかし、酒に強いわけではないので、次の日は二日酔いで1日を無駄にするし、気が付いたらカバンが水浸しになっていたり、友人を
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