ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (9)

  • 福島県の経済メモ

    福島県の経済についてデータの出所と簡単なコメント(Twitterでつぶやいたもの) 福島経済をみると公共事業のすごさと同時にダメさの両方のサンプルとして重要かもね。あまりにも一時的刺激すぎる。 福島県経済の統計をみると典型的な公共事業投資だけある時は経済は盛り上がるが終われば急速に元の厳しい状況に戻る、という展開になっていそう。鉱工業生産指数の動きの鈍さ、県内消費者物価指数の動きなどに注意。 参照資料 http://t.co/2y9qPMLj 福島の雇用関係みても典型的な一時的な公共事業依存の帰結が観測できる。一時的に急増加している震災関連の求人などがけん引しているのは確か。他方で、製造業やサービス産業は雇用環境が伸び悩み&急速に悪化している。雇用は経済実態を遅れて反映しているのでたぶん現状はもっと回復のペースが鈍化か。 福島労働局の雇用統計。http://t.co/wAIXKDWX 福島

    福島県の経済メモ
  • 萱野稔人編著『ベーシックインカムは究極の社会保障か』

    このの題名への答えは正直ノーである。ベーシックインカムについては僕の周りでも賛成者が多く、書に収録されている飯田泰之さんはその代表であろう。だが、僕は以前からベーシックインカムについては違和感を表明してきた。書ではその「違和感」を一部裏付けるような論者たちの主張が収録されていて非常に参考になった。書の編者は菅野稔人氏であるが、率直にいって経済学的な視点でも社会政策的な視点でもあまり僕は信用していない。 そのため、ここでは、飯田泰之さんの主張を中心にして書を読むことをまずすすめたい。さらに飯田論説(ベーシックインカム賛成論)に対して、ベーシックインカム論に従来の社会政策的な観点を全面に出して反論している後藤道夫氏の論説、さらに思想的な面で興味深い東浩紀氏、そして異能な視点ともいうべき佐々木隆治氏の論説も面白い。冒頭の坂倉昇平氏のベーシックインカムをめぐる盛り上がりの歴史は日のネッ

    萱野稔人編著『ベーシックインカムは究極の社会保障か』
  • 本日登場、タイラー・コーエン『創造的破壊』と近刊噂話

    すでにお知らせしたとおり、今日が発売日です。文化を対象にした経済学だけあり、サブカルチャー、ポップカルチャーからハイカルチャーまで対象は多岐にわたります。そして日や諸外国の様々な文化現象とグローバル化との「創造的破壊」の多様性と問題を、非常に深く掘り下げていていて、通常の経済学では見ることのできないほど新しい概念を駆使し、文化現象の深層を明らかにしています。 僕がここ数年読んでの中でもベスト10に入るのひとつで、ようやく日の多くの人たちが読めるようになって嬉しいかぎりです。噂では、コーエンの最新作の『大停滞』もとても素晴らしい翻訳と解説の組合せで出るそうです。また誰が取り組んでいるかちょっと分からないのですが『情報喰いの時代』も版権をすでに日の出版社は得ています。 日のサブカルチャーをめぐる論壇は、多くがその著者たちの「自分が基準」というようなあやふやな名人芸でのみ成り

    本日登場、タイラー・コーエン『創造的破壊』と近刊噂話
  • 関東大震災における経済学者の活動

    東大震災のときの経済学者の活動についてのメモ。ここでいう「活動」は単なる講義、論文書きや各種メディアへの寄稿を意味するのではなく、政府とのかかわり、政府への政策提言などにかかわるものである。これらの「活動」以外では、(経済学者ではなく後に経済学者になるものの)兵役従事、日記、あるいは震災調査(福田徳三、小泉信三ら)がある。 以下では関東大震災のときの経済学者の最も活発だった「政府外での活動」についての簡単なメモ。それは二十三日会でのもの。当時の総合雑誌『改造』の社長山実彦が音頭をとったもの。政府の復興政策への対案提出を企図して結成された。メンバーは堀江帰一(慶應義塾教授)、福田徳三(東京高商教授)、政治学者の吉野作造(東大教授)が中心。経済学者はこの二名だけだが、堀江と福田は中心になって活動した。彼らは失業救済、火災保険問題、朝鮮人&社会主義者虐殺事件<特に大杉栄事件>について討議し決

    関東大震災における経済学者の活動
  • 田中秀臣研究室の被災状況

    大震災以来、はじめて研究室に入った。唖然。研究室は7階にあるのだが、地震のときにいたらどうなっていたのか? 呆然とする田中(ゼミ生写すw) たぶん研究室の机でいつものように作業していたら頭にシュムペーターの『経済分析の歴史』全巻が雪崩てきてしまっただろう。

    田中秀臣研究室の被災状況
  • 岩田規久男『国際金融入門 新版』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    1995年にでた名著の新版である。もちろんその後の世界経済の情勢、アジア経済危機、日の長期停滞、世界同時不況などを簡潔に説明するとともに、ご自身の参加された最新の研究成果(昭和恐慌研究など)、さらには日の経済問題の根幹にある国際金融面での調整の失敗(浜田宏一&岡田靖論文)を初心者にもわかるように解説した、懇切丁寧なだけではない、時論の書にもなっている。 僕の大学の講義では、このにも参考文献に挙がっている藤井英次氏のテキストを利用していたが、岩田先生のこのをまず夏休みの必読書として学生に広くすすめたいと思っている。実際に国際金融の簡潔で読みやすいテキストはいまはほとんどないといっていいだけにこの書はお世辞抜きに当に助かる。入門的な知識の整理ももちろん旧版をデータ、解説の面ですべて刷新して書かれている。 国際金融入門 (岩波新書) 作者: 岩田規久男出版社/メーカー: 岩波書店発売日

  • 試用期間切りについてのメモ - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    間接的に知ったのだが、今年の春に採用された新卒者の人が、ほんの数日出社しただけで、あとは自宅研修(というよりも自宅待機?)を命じられて、そして6月に入る頃に解雇を通知されたという。おそらくこういう事例はいくつもの大学でも報告されているに違いない。「試用期間切り」という。例えば大内伸哉氏は『どこまでやったらクビになるか サラリーマンのための労働法入門』の中で、試用期間というのは、格的な雇用のための名称そのものの「試用」ではなく、「試用期間」の段階から正式な労働契約関係が構築されていると裁判所は考えていると書いてる。裁判所が「試用期間」中の解雇が正当と認める事由はかなり厳格な基準が設けられてもいる。単に適性がないなどという理由だけでは解雇するのは不適当である、というのが裁判所の立場のようである。 ここを参照http://www.pref.saitama.lg.jp/A07/BL00/so-d

  • 生まれたときから日本はこんな感じで今さら不況だからどうとか言われてもよくわからない - Economics Lovers Live

    エントリーのタイトルは『小悪魔ageha』最新号より 切込隊長と超越議論をしたときに、隊長が以下のことを書いたのが心にひっかかってた。特に強調部分(強調したのは僕)。 http://kirik.tea-nifty.com/diary/2008/12/post-9f83.html#more 完全失業率とか 良く分からないです。実体経済は前に比べて悪化してると思いますが、前が異常だったんじゃないですかね。無理な信用創造を繰り広げて世界的にバブっていたころと比べて、いまは実体経済最悪だ、というのは相対的に見てそれはそうだろうけど、元からこんなもんだったんじゃないかと、ロスジェネ世代な私は思ってしまいます。 問題は、実体経済が悪化するのは当然として、それがしばらく続くのも当然として、はて、どう対処して環境に適応するのかしら、という話じゃないでしょうか。 ロス・ジェネ世代だけどもバブった頃の記憶もあ

  • ハイエク晩年の進化と自生的秩序についての考察 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    吉野裕介氏(京都大学大学院経済学研究科)による「ハイエク『致命的な思い上がり』の成立過程に関する一試論――「進化と自生的秩序」メモを中心に――」は、ハイエクの最晩年の著作『致命的な思い上がり』をめぐる重要な実証的研究。またハイエクの思想の核心部分である「進化」と「自生的秩序」についての簡潔な見取りを描いていて、ハイエク入門としても読める。 http://www.lib.hit-u.ac.jp/CHSSL/d_shiryou/nenpou/28/28_03.pdf ところでこの論説の付録に付されたハイエク自身の「進化と自生的秩序」を読むと、そこに展開されているアリストテレスートマス・アクィナスのよる静態的な秩序社会、その秩序を維持するための「道徳」、そしてその「道徳」との戦いこそ経済学の使命である、という一連の思索は、明らかにドイツ歴史学派(ブレンターノ)もしくはイギリス歴史学派(アシュレー

    ハイエク晩年の進化と自生的秩序についての考察 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • 1