京都大学の研究チームは、大地震発生直前に観察される震源付近の電離層上空の電磁気学的異常の発生を説明する物理メカニズムを提案。同メカニズムに基づいて、電離層への影響を大気の静電容量によってモデル化し、モデルから予測される生成電場の大きさと観測されている地震発生前の電離層の伝搬異常の速度変化に整合性があることを示した。 最近の大きな地震の震源付近の地質調査から、プレートの境界面には、すべりやすいスメクタイトなどの粘土質が存在しており、水分も含まれている可能性が報告されている。京大の研究チームによると、その粘土質の破砕層内部にある水が地震発生前の高温高圧下で超臨界状態になり、絶縁性となって比誘電率が大きく低下することで、摩擦などで電荷が発生。この電荷によって破砕層間の電圧上昇が起こり、この電圧上昇分が大気の静電容量を介して電離層に伝わるという。 同チームは、このとき破壊層に蓄えられる電荷とエネル