「信頼のできない語り手」とは。 「信頼のできない語り手」という技法を用いている物語があります。 主に推理小説やサスペンス、ホラーなどのジャンルに用いられる技法です。 「信頼のできない語り手」に物語を語らせることによって、物語自体にトリックをしかける、物語を重層化する、物語の世界観を不安定にして読み手に不安感を与える、真相やテーマを考えてもらい、テーマをより強調する、などのために用いることが多いです。 当ブログでも過去に取り上げたことがある桐野夏生「グロテスク」も、「信頼のできない語り手」を用いています。 www.saiusaruzzz.com 「信頼のできない語り手」が一番うまく作用している小説は…。 「信頼のできない語り手」が最も上手く作用している、と思う物語は、エミリ・ブロンテの「嵐が丘」です。 有名な物語なので、読んだことがない人の中には「ロマンチックな恋愛小説」というイメージを持っ