いわゆる風評被害と呼ばれる現象が,インターネットの普及で新たな性質を帯びてきています.これまでは,噂は個人から個人へと伝わるもので,噂を聞く人の真偽判断や信頼性判断が防波堤となるため,あまりに無根拠な噂は現状と比較すると広まりにくいものでした.しかしインターネットでは,電子掲示版あるいは電子メールという形で, 誰でも安価に噂を流すことが可能であり,しかも瞬時に何百万人という人の目に触れる状態を作ることが可能です.たとえば, 「○○会社の○○というパソコンは壊れ安い」という電子掲示版への書き込みは,そのパソコンの売上げを左右しかねず,企業だけでなく,「○○大学の○○研究室は雰囲気が悪い」などという大学機関への風評や,個人への攻撃も,その威力は増すばかりです.逆に,「○○というパソコンは使い易い」など,消費者の生の意見が書かれた書き込みも多くあり,これらは例えば自分がパソコンを購入しようとして