長崎県佐世保市の女子小学生の同級生殺人事件から1年がたった。昨年7月下旬、私は汗をぬぐいながら坂の多い佐世保の街を歩いていた。事件の背景をじっくり考えてみたかったからだ。 問題は「子どもの心」にあるのだろうか。大人の想定外の事件が起きると、「心の教育」が必要だという単純な結論になる。2年前には長崎市で少年によって幼い子どもが転落死させられるという事件が起きている。まさに「心の教育」を全県的に広げようとしていた矢先に佐世保の事件が起きたのだった。 小・中学校の道徳の時間を使って「生命の大切さ」を教師が訓示し、作文を書かせるなどの「対策」は、はたして子どもたちの「心」に届いているのかどうか。 昨年の10月に長崎県五島市で、この道徳の時間に「苦しい時に笑って生きるのは素晴らしい」と作文に書いておきながら、翌日に首吊り自殺した11歳の女子小学生がいた。 「実は、異常事態は続いているんですよ」と電話
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