「サトウの切り餅」を巡る特許権侵害訴訟で、知財高裁(飯村敏明裁判長)は22日、競合する他社の特許権を侵害していると認めた昨年9月の中間判決を踏まえ、佐藤食品工業(新潟市)に製造・販売差し止めと製造装置の廃棄のほか、約8億円の支払いを命じる判決を言い渡した。 同社に約59億4000万円の損害賠償などを求めて訴えていたのは、包装餅で業界2位の越後製菓(新潟県長岡市)。 問題となった業界トップの佐藤食品工業の「サトウの切り餅 パリッとスリット」は、焼いて膨らんだ時に表面が破れないよう、餅の上下面に加えて側面にも切り込みがある。1審・東京地裁は、「側面に入れた切り込み」の特許を持つ越後製菓の請求を棄却したが、知財高裁は中間判決で「上下面の切り込みの有無に関わらず、側面に切り込みがあれば特許権を侵害する」との判断を示していた。 今回の判決は、〈1〉佐藤食品工業は側面などの切り込みでふっくら焼けること