このコラムについて 世界を変えるような製品はもう日本から生まれないのか? 「最もイノベーティブな企業」ともいわれるデザイン会社「IDEO」に聞く、日本企業が輝きを取り戻すための処方箋とは? カギは組織の「創造性」にある。 記事一覧
![日本企業はクリエイティブになれるのか?:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)
(前回から読む) 世界中の人は、日本がクリエイティブだと思っている。でも、日本企業の多くは、どこか自信を失っているように見える。その原因は何なのか? 世界的なデザイン・コンサルティング会社IDEO Tokyoの代表であるダヴィデ・アニェッリ氏と、同じくIDEO Tokyoのリードビジネスデザイナーである野々村健一氏に、早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄氏が聞いた。 ダヴィデ:先日、日本の大手メーカーに長年勤めている人に聞いた話が、日本企業の問題を象徴していると感じました。 その会社は、1980年代前後にコンサルタントや学者が提唱していた「組織のサイロ化」を進めたそうです。それまでは組織の中に垣根がなく、マーケティング、研究開発、製品開発、ブランディングなどが1チームとして機能していた。そこへ、「部門を分割して効率を上げましょう」という方針で会社をどんどんサイロ化した結果、もちろん、
前回、新興国経済の成長と日本の成熟化を背景に、日本はモノの輸出で稼ぐ力は低下しているが、グローバル需要を取り込む方法は多面的になっていることを紹介しました。その証左として、(1)日本企業の海外現地法人の売上高は着実に伸びていること、(2)海外からの所得の受取増加を背景に、所得収支が黒字を維持していること、(3)サービス収支が赤字ながらも縮小傾向にあることの3つを挙げました。 例えば4月の国際収支統計によると、「旅行収支」は44年ぶりに黒字となり、黒字幅は177億円と過去最大を記録しました。その背景には、4月の訪日外国人旅行者数が123万1500人と、前年同月比33.4%増加したことがあります。外国人旅行者の増加は、日本の「稼ぐ力」がモノの輸出に限らず、日本国内においてさえ、グローバル需要の取り込みが可能であるということを示す典型例と言えるでしょう。 「多面的な取り組み」の一つとして、世界的
「斬新すぎる」「衝撃的」「可愛くない」「謎のキャラクター」「ネタだよね?」 こんな声とともに、今ツイッターなどの交流サイト(SNS)を中心に盛り上がっているのが、「KIRIMIちゃん.」だ。 サンリオが2013年に公開し、今年初旬にメジャーデビューした新キャラクターで、シャケの切り身がモチーフになっている。 切り身…。 生き物をテーマにしたキャラクターは数あれど、切り身のキャラクターは非常に珍しい。どのようなイメージなのか、想像できない人も少なくないはず。公式ホームページには、以下のようなプロフィールが書かれている。 「切り身にされた瞬間、美味しく食べてもらいたい…という想いで産まれてきたきりみちゃん。沢山の仲間たちと共に今日も食卓に寄り添うパートナーとして美味しく食べてもらうのを待っている。お友達のかまぼこちゃんとはとっても仲良し。初めて切り身になった日は、8月31日(野菜の日なのに…)
鈴木会長がリアルとインターネットを含めた様々な販路を連携させるオムニチャネル戦略というキーワードに注目したのはなぜですか。 鈴木:私は、10年以上前から、ネットとリアルの融合ということを、社内で言い続けてきました。まだ、どこでもそんなことが言われてなかった時から、必ず、そういう時代が来ると、感じていたからです。セブン&アイは、コンビニから百貨店まで、様々な業態を持っており、シナジー効果を出すということを考えていかなければならないと思っていた。そごう・西武と統合した時も、マスコミのみなさんから、スーパーと百貨店とコンビニがくっついても、どうにもならないんじゃないか、シナジー効果なんて出せないんじゃないかということを、相当言われました。その当時から、私は、従来の百貨店のあり方、スーパーのあり方など、従来の業態のあり方がなくなるのではないかということをひしひしと感じていました。 その中で、私が具
日経ビジネスは6月16日号の特集「セブン 鉄の支配力~ヒットを作る勝者の流儀」で、「セブンイレブン」を中心に成長を加速し、メーカーや加盟店への支配力を高めているセブン&アイ・ホールディングスを取り上げた。鈴木敏文会長のリーダーシップ、リアルとネットが融合する「オムニチャネル戦略」の真意、グループの経営体制の今後に迫った。 本コラムでは、特集誌面には収めきれなかった動きや経営者・識者のインタビューなどを紹介していく。 第一回は、セブンイレブンの強力な販売力を生み出す年間1600店舗もの出店力にフォーカスした。競争が激化する中、ライバルを圧倒する出店をいかにして実現しているのか。各地の現場を歩いて、実態を探った。 今年2月28日、東京都北区にあるJR田端駅の近くにまた1つ、コンビニエンスストア「セブンイレブン」の店舗が開業した。店名は「北区田端駅東店」。一見するとなんの変哲もない店に見えるが、
先日、飲み会の席で「…だって世の中、『飛行機がなぜ飛ぶか』ということすら、本当は分かっていないんですから」という声が聞こえてきた。読者の多くの方もきっと、同じ話を耳にしたことがあると思う。 「常識と思っていることは、実は単なる思いこみだ」という文脈か、「科学なんてたいしたことないじゃないか」という話か、そこまでは分からなかったが、声にはちょっと嬉しそうな響きがあった。 もちろん科学は宗教ではない(こちら)。「信じる」ことが基本姿勢の宗教に対して、科学のそれは「疑う」ことだ。リンク先の記事の通り、科学を宗教的なものと誤解しないためにも、「本当はどうなんだ?」と疑う姿勢は大切だ。その一方で、「結局、科学といっても本当は何も分かってないんだよ」という見方は、シニカルな態度にもつながっていきそうでなんとなく違和感がある。 それはさておき、高速で空を飛び、多くの人命を載せる航空機がなぜ飛ぶか、本当に
寺坂:正直に言うと想定外という感じがしています。アベノミクスが始まった時は消費者物価の上昇率が2%に達するのは無理だというのが大方の見方でしたが、蓋を開けてみると1%を上回り、生活実感に近いと言われている持ち家の家賃を除く部分は2%に届いている。地域別に見ると、2%を超えている都道府県もあります。 円安でガソリンや電力料金が上昇しているというイメージはありましたが、意外だったのはテレビやパソコンなどの教養娯楽耐久財です。ずっと消費者物価の押し下げに寄与してきましたが、マイナスからプラスに転換しています。低迷していたサービス価格にも動きが出てきました。リーマンショック前の比較的、景気が良いときにも物価は上がっていましたが、その時は外的な要因でガソリンや食料品が上がっていました。今回の上昇は明らかに様相が変わっています。 円安による押し上げがあり、それが徐々に広がってきたということですか。 寺
川島:三越伊勢丹ホールディングス代表取締役社長に就任されて、たった2年で大西さん、ものすごい変化をもたらしました。まず、2014年3月期は、連結営業利益が約30%増え、346億円というニュースを目にしました。売上高も利益も史上最高でまさに絶好調ですね。 大西:ありがとうございます。 川島:数字の面だけでなく、お店のかたちも変わりました。三越と伊勢丹という毛色の異なる百貨店の合併から始まり、2012年の伊勢丹新宿本店(以下、新宿伊勢丹)を大改装し、日本橋三越本店(以下、日本橋三越)のリニューアル計画も進んでいます。百貨店、というと斜陽産業、というイメージで語られがちですが、これだけ大きな成果をなぜ短期間で出せたのか? 今日は「大西マジック」について教えてください。 大西:わかりました。まず、最初に言っておきましょう。川島さん、いま、百貨店が斜陽産業、っておっしゃいましたよね? 斜陽の現実を受
遙から 同時期に二つのまったく両極端の節約術番組を見た。ひとつは明るい節約術。これはボンビーガールに始まり、貧乏芸人の暮らしぶりもまた、狭い・汚い・貧しい食生活(カップラーメンだけなど)、を基盤にした明るい貧乏だ。本人の明るさとは別に、見る側の驚くリアクションの落差で番組がバラエティとして成立している。 なぜ本人が明るいかというと「もし将来芸人として売れたら」という未来がある。夢を前提とした現在の貧しさはとりあえず明るい。貧乏は、若さと未来と希望で悲壮さは相殺され、見る側にも「自分も若い頃はああだった」といった既視感すら覚えさせ、貧しいほどに応援したくなるポジティブさに着地して番組は終わる。一か八かで入った芸能界で、本人が選び取った覚悟の貧しさ、という点において暗さはない。 覚悟のビンボーか、避けられなかった貧困か それに比べ、「女性の貧困」を取り上げたドキュメンタリーは、上記同様、狭い・
三菱一号館美術館館長 高橋 明也 氏 1953年東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。専攻はフランス近代美術史。東京・国立西洋美術館の主任研究官、学芸課長として「オルセー美術館展」(1996年、1999年、2006年)、「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 光と闇の世界」展(2005年)、「コロー 光と追憶の変奏曲」展(2008年)などのヒット企画を手掛けた。2006年に三菱一号館美術館の初代館長に就任(開館は2010年4月)。1984年から1986年にかけて、文部省在外研究員として仏パリ・オルセー美術館開設準備室に勤務した経験も持つ。2010年、仏芸術文化勲章シュヴァリエ受章。『もっと知りたいマネ 生涯と作品』(東京美術)など著者、訳書多数。(写真=福知彰子) 高橋:正式に館長に就任したのは2006年なんですが、その前年頃から、三菱地所の方から東京・丸の内に計画中の新しい美術
広野 彩子 日本経済新聞社NAR編集部次長 朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。 この著者の記事を見る
このコラムについて 日本企業でなぜプロジェクトマネジメントがうまく機能しないのか。硬直的な組織、実力を発揮しにくい社風、それでいてリーダーの責任の範囲は不明確なままでスタートすることも珍しくない。しかし、経済の低迷が続く中、企業は社内外で組織を超えたプロジェクトを進めていかざるを得ない。筆者の今北純一氏は、日本とは対照的に、強烈な個性を優先する人間たちで構成されるフランス企業をはじめ、欧州や米国でのグローバルビジネスの最前線でいくつものプロジェクトを成功させてきた。その経験をもとに、実践的なプロジェクトマネジメントについて解説してもらう。 記事一覧 記事一覧 2011年5月24日 プロジェクトマネジメント実践の要諦 後編(心得編) 最終回: 成功に導くための10のポイント 30年以上におよぶグローバルビジネスの最前線での実体験に基づいた話をすれば、「どうして自分がこんな貧乏クジを引かなけれ
スマートメーター(次世代電力計)を巡り、東京電力と新電力(特定規模電気事業者)の対立が再び先鋭化している。東電が新電力に対する電力使用量データの提供を、「1日4回(6時間に1回)」にとどめると主張していることが、本誌の取材で明らかになった。 スマートメーターはこれまでの機械式に代わる新しい電力計。通信機能を持ち、30分ごとに一般家庭の電力使用量を検針する仕様になっている。東電などがインフラを整備し、2016年に予定される電力小売りの完全自由化後は、新電力が顧客情報を得るための要の機器になる。 では、メーターで30分おきに検針するデータをなぜ6時間に1回しか提供できないのか。東電の言い分はこうだ。 東電の販売地域には一般家庭向けの電力計が2700万台あり、合わせると膨大なデータ量となる。これを30分おきに提供するには通信網などへの追加投資が必要なため、今は6時間おきが限界だというのだ。 だが
4月にカーシェアリングサービスに入会した。周りの友人が使っているということを聞いてはいたものの、いまいち利便性の実感が湧かず入会に至っていなかったカーシェアリング。通常のレンタカーサービスでも、多くて月に1回程度しか使わない私にとっては、縁遠いものと思っていた。 入会しようと思ったのは、自宅近所ににわかに「タイムズカープラス」のノボリを見る機会が増えてきたからだ。タイムズカープラスは、タイムズ24が運営するカーシェアリングサービス。こんなところにもタイムズ24の駐車場があったのかと思うほど、自宅近辺に多くの駐車場があり、それら駐車場のほとんどでタイムズカープラスを提供しているようだった。 それまでレンタカーを借りる際は、レンタカー店舗までバスかタクシーで移動し、往復数百円~1500円程度かかっていた。タイムズカープラスの場合、自宅徒歩圏内に数カ所借りられる場所がある。「自宅から徒歩圏内」「
佐藤 可士和(さとう かしわ) アートディレクター/クリエーティブディレクター 1965年、東京都生まれ。1989年、多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。博報堂を経て、2000年に「SAMURAI(サムライ)」設立。主な仕事に、国立新美術館のシンボルマークデザインとサイン計画、ユニクロや楽天グループのグローバルブランド戦略のクリエイティブディレクション、セブン-イレブンジャパン、今治タオルのブランディングプロジェクト、「カップヌードルミュージアム」のトータルプロデュースなど。東京ADCグランプリ、毎日デザイン賞ほか受賞多数。慶應義塾大学特別招聘教授、多摩美術大学客員教授。著書は「佐藤可士和の超整理術」(日本経済新聞出版社)ほか。ウェブサイトはこちら(人物写真:大槻純一、以下同) 川島:21世紀に入って10年あまり。日本の大企業がすごく停滞しているな、って感じを受けます。その典型が家電業
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