代表的な租税回避地(タックスヘイブン)であるケイマン諸島に対する日本国内からの証券投資残高が2015年末時点で74兆円に達し、1年間で約11兆円(18%)増えたことが分かった。資産運用収益に課税されないケイマン諸島には多数の投資ファンドが設立されており、日欧の金融緩和で運用利回りが低下する中、収益改善のためタックスヘイブンに資金をシフトさせた可能性がある。 財務省が24日発表した対外証券投資残高によると、国内から海外に投資された株式や債券などの残高は15年末に423兆円と、前年比3.2%増えた。米国向けが165兆円と11%増加、欧州連合(EU)向けが118兆円と7.4%減少したのに対し、ケイマン諸島の伸び率が際立つ。ケイマン諸島が全体に占める割合は17.6%に達し、00年以降で最も高くなった。
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