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ブックマーク / hicksian.hatenadiary.org (8)

  • 「デフレ克服に向けて―黒田日銀新体制最初の一歩」 - Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜

    ●Matthew Yglesias, “BOJ's Kuroda Vows To Use "Every Means Available" To Fight Deflation”(Moneybox, April 4, 2013) 日、黒田東彦総裁率いる日銀行新体制下で初めての金融政策決定会合が開催され、安倍晋三首相が掲げる2%のインフレ目標(消費者物価で見て前年比上昇率2%の「物価安定の目標」)を達成するために、マネタリーベースを2倍に拡大するプランが発表された。中でも特に興味深いのは決定会合後の記者会見の場で黒田総裁が語った次の発言である。「これまでのように漸進的に少しずつ量的・質的に緩和を拡大するやりかたではデフレ脱却を達成できない。デフレ脱却を実現するためには現在取り得るあらゆる手段を動員する必要がある」。 脅し文句(tough talk)とも言えるこの発言は、期待への働きかけを意

    「デフレ克服に向けて―黒田日銀新体制最初の一歩」 - Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜
  • Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜

    ●Tyler Cowen(2004), “A Road Map to Middle Eastern Peace? - A Public Choice Perspective”(Public Choice, Vol. 118, No. 1/2, pp. 1-10)/〔2022年6月23日〕訳を全面的に修正。 イスラエルとパレスチナの間で和平がなかなか達成されずにいるのは、なぜなのだろうか? ブッシュ大統領が提案する「中東和平のロードマップ」は和平の達成につながるだろうか? これらの疑問に答えるにあたり、論文では、中東問題の細々とした論点からはちょっと距離をとった上で、公共選択論の観点から、戦争や対立(conflict)に関する基的な問いに思いを巡らせてみようと思う。論文では、「そもそも戦争が起きるのはなぜなのだろうか?」、「和平交渉に臨む各国がしばしば『取引の利益』(gains fro

    Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜
  • サムナー 「臆病さという名の罠」 - Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜

    ●Lars Christensen, “15 years too late: Reviving Japan (the ECB should watch and learn)”(The Market Monetarist, April 4, 2013) これまで過去15年にわたって日銀行はデフレ的な政策(deflationary policies)を推し進めてきたが、その日銀行が今や進路をはっきりと変えつつあるようだ。このことは日開催された金融政策決定会合の内容を見れば誰の目にも明らかだろう。今回の決定に関しては「極めてよいニュースだ」という言葉以外に何と書いたらよいものかこれといってうまく思い付かない。今回の日銀行の決定は日にとっても世界経済にとっても好ましく、また、教科書通りの金融緩和策であると言える。あえてマイナス面を挙げると、ターゲットが名目GDPの水準ではなくインフレ率に

    サムナー 「臆病さという名の罠」 - Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜
  • 「通貨戦争をめぐる混乱」+α - Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜

    ●Paul Krugman, “Currency War Confusions”(The Conscience of Liberal, February 15, 2013) 所々こちらで勝手に言い回しを変えているところがあるのでご注意を。 最近話題になっている「通貨戦争」(“currency war”)についてどう思うかと尋ねられることが多いのでここで私の立場を明らかにしておこう。私の見解はこうだ。「通貨戦争」をめぐって世間で語られていることは思い違いに満ちており、政策担当者がその議論を真剣に受け止めてしまうと非常にまずいことになるだろう。 まずはじめに、多くの人々が過去の(歴史上の)通貨戦争について抱いている認識は正しくない、という点をおさえておく必要があろう。1930年代に世界経済を襲ったとされる悪循環を説明するために「保護主義」(protectionism)と「通貨切り下げ競争」(c

    「通貨戦争をめぐる混乱」+α - Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜
  • 「流動性の罠」下におけるインフレーション・ターゲッティング:日本経済に埋め込まれた排中律 - Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜

    ●Paul Krugman(1999), “Inflation targeting in a liquidity trap: the law of the excluded middle” パソコンのハードディスクを整理していたら途中まで訳してほったらかしにしていたのを発見。折角なんで最後まで訳してみた。1999年に書かれた論説です。 噂によると、日銀行が目標の上限値としてプラスのインフレ率を設定するインフレーション・ターゲッティング(の一種)の採用を検討しているらしいとのこと。この噂が当だとすればいいニュースだ。というのも、ついに日人自身が自分たちの置かれている状況がいかなるものかを理解し始めつつあることを意味しているからだ。でも当にそう言える*1んだろうか? どうだろう。というのも、噂として聞こえてくるインフレ率の目標値があまりにも低過ぎるからだ。もし(インフレ率の目標値が)噂

    「流動性の罠」下におけるインフレーション・ターゲッティング:日本経済に埋め込まれた排中律 - Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜
  • デロング「J.S.ミル 対 ECB;ワルラスの法則で世界経済の現状を読み解く」 - Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜

    ●J. Bradford DeLong, “John Stewart Mill vs. the European Central Bank”(Project Syndicate, July 29, 2010) 中盤以降の部分訳。 1829年のことになるが、ジョン・スチュアート・ミル(John Stuart Mill)は、彼が「一般的な(全般的な)供給過剰(“general gluts”)」と呼んだ問題の解決策を明らかにすることを通じて経済学上における大いなる知的前進を促すことになった。ミルは、金融市場において特定の金融資産に対する超過需要が存在する裏には、生産物市場において財・サービスの超過供給が存在する―そして、財・サービスの超過供給は労働市場において労働サービスの超過供給を生み出すことになる―ことを見てとったのである。 ミルにとって以上の認識から示唆されるインプリケーションは明らかだっ

    デロング「J.S.ミル 対 ECB;ワルラスの法則で世界経済の現状を読み解く」 - Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜
  • 学習性無力感に囚われたマクロ経済学 - Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜

    ●Paul Krugman, “Learned Helplessness In Macro”(Paul Krugman Blog, June 29, 2010) マーク・ソーマ(Mark Thoma)とブラッド・デロング(Brad DeLong)がそれぞれ自分のブログでジェームス・モーリー(James Morley)の現代マクロ経済学批判(pdf)を取り上げてるね 。実のところ、僕自身もちょっと前に大体似たようなことを書いたことがあるんだ(訳者注;okemosさんによる訳はこちら)。その時書いたように、「現代」マクロ経済学は、以下のような基的なストーリー展開に沿って変容を遂げてきたと言えるだろう。 1.ルーカスが先導した研究プロジェクトは、現実の経済はケインジアン的な振る舞いを見せる―つまりは、財政政策や金融政策は、明確な形で、生産や雇用に影響を及ぼす(=実質的な効果を持つ)ようである―

    学習性無力感に囚われたマクロ経済学 - Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜
  • Irregular Economist 〜hicksianの経済学学習帳〜 岡田靖「小幅で頑固な日本のデフレーションは問題か?」

    ●Yasushi Okada(2006), “Is the Persistence of Japan’s Low Rate of Deflation a Problem?(pdf)”(prepared for ESRI国際コンファレンス:「“失われた10年”における日経済の変貌と回復」, 東京, September 14, 2006;同じ訳をこちらにもアップ) <要約> 論文は大きく2つのパートから構成される。まず第1のパートにおいて、なぜ日経済において持続するデフレーションが小幅(マイルド)であるのかを論ずる。デフレーションが、①小幅(マイルド)であり、かつ、②長らく持続している(頑固である)、というこの2つの事実の組み合わせは、日経済が過去10年間において経験したデフレーションの最も顕著な特徴である。論文において我々は、このような2つの事実によって特徴づけられる日のデフレー

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