県から要望に対する回答書を受け取る奈良植物研究会の松井淳会長(右)=県庁で2024年9月10日午前9時16分、稲生陽撮影 奈良県立大が研究者から寄贈を受けて保管していた貴重な植物標本を誤って廃棄した問題で、県は10日、一連の経緯説明と廃棄を陳謝する回答書を、寄贈に関わった奈良植物研究会に手渡した。県は陳謝する一方で「自然史研究・教育を所管する体制がないのに寄贈を受けたことが遠因」として、標本の受け入れ自体に問題があったと説明。今後寄贈の申し出があった場合は国や他の自治体に紹介するとした。研究会メンバーらは「あぜんとする回答で失望した。県として奈良の自然史を次世代に引き継ぐ姿勢が見えない」と憤った。 標本は元高校教諭の岩田重夫氏(1916~88)が晩年までの40年近くをかけて集めた「岩田コレクション」。約1万点の量があり、今では採取できない種や希少種も多く含まれていたという。2001年に寄贈