原発事故に伴う混乱の中で、法律の専門家が向き合ったものはなにか。「原発事故・子ども被災者支援法」の成立に携わった河崎弁護士と荻上チキが語りあう。電子マガジン「α-Synodos」143号より転載。(構成/山本菜々子) 荻上 今回は、「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク」(SAFLAN:サフラン)の共同代表をされている河崎弁護士にお話を伺いたいと思います。河崎さんとぼくは色々な仕事でかかわっていて、いつも明晰さとアクティブさに敬意を抱いています。「原発事故・子ども被災者支援法」(以下、「子ども被災者支援法」)の成立にも関わり、積極的にロビイング活動もされていますよね。震災以前は、どのような法律問題に取り組んでいたのでしょうか。 河崎 20代のころは経営コンサルティングの会社にいたこともあって、ビジネスサイドの仕事が中心でした。一方で、30代になり、弁護士登録した直後がちょうど「派遣村」