今年のノーベル平和賞にオバマ米大統領が決まった。大統領は「核兵器のない世界」を看板の一つに掲げ米露の核軍縮などに取り組んでいるが、今年1月に就任したばかりで過去の受賞者に比べ実績は皆無といっていい。その意味で異例ともいえる今回の授賞には、オバマ大統領の取り組みを後押しするという政治的なメッセージが強く込められている。ただ、あまりに「政治的」過ぎる今回の選考は論議を呼ぶことにもなりそうだ。 今年の選考では、ジンバブエのツァンギライ首相、アフガニスタンの女性人権活動家シマ・サマール氏ら、史上最多の205人が候補に挙がっていた。オバマ大統領への授賞理由について、2月にノーベル賞委員会の委員長に就任したヤーグラン氏は記者会見で「オバマ氏は米大統領として国際政治に新しい精神的風土をもたらした。核兵器のない世界を目指すという考えと取り組みは特筆すべきだ」と説明した。 平和賞選考はノルウェー国会から指名