人生は儚(はかな)い。ならば、それをとらえた写真だって儚いはず。米ニューヨーク在住の写真家、トヨダヒトシさん(47)が9月下旬、東京都港区麻布十番のギャラリー「gm ten(ジーエムテン)」で新作を上映する。 写真を一切プリントせず、スライド映写機でスクリーンに投影するのがトヨダさんの流儀。「映像が消えていくところを見てほしい。ネガティブな意味ではなくて、消えていくものだからこそ、大事にしたいと思う」。映像日記と呼ばれる作品は、撮るのはもちろん、見るのも一期一会だ。 新作は、米国での何カ月かを描く「白い月」(約60分)と、日本での日々を写した「黒い月」(約80分)。連作ではなく、それぞれ独立した作品だが、一対のものだと意識して、同時進行で制作したという。 映し出されるのは、日常生活の断片、等身大の小さなドラマ。35ミリのポジフィルムと手送り式の映写機を使う。BGMもない。観客は、カシャリ、