浜岡原発で運転中の5号機(手前)と4号機(手前から2番目)その奥が3号機=静岡県御前崎市で2011年2月、本社ヘリから西本勝撮影 政府が以前から耐震性に問題を指摘されていた浜岡原発の全基停止措置に踏み切った背景には、原発の安全体制を徹底させる姿勢をアピールする狙いがある。それにより、電力供給の一定量を原発で賄う現行エネルギー政策の根幹そのものは維持したい考えがあるとみられる。 ただ、東京電力福島第1原発の深刻な事故で地域住民の原発に対する不信感は過去に例がないほど高まっている。このため、今後は、他の原発も安全性の検証が必要となる可能性があるほか、菅直人首相が提唱する再生可能エネルギーへの転換を中長期的にどう進めていくのかなど、次世代の明確なエネルギー戦略の明示が迫られそうだ。 菅首相は6日の会見で「浜岡原発の置かれた特別な状況を考慮した」と説明。稼働中の4、5号機の停止という異例の要請をし