歩く人のストライド、ジョギングをする人のフォーム、ダンサーのボディライン、こちらを見る顔。簡潔で力強い作品の数々は、英国のアーティスト、ジュリアン・オピー(Julian Opie, 1958-)によるものだ。日本の大手IT企業であるGMOインターネットグループの東京と大阪のオフィスには、世界でも有数の規模を誇るオピー作品のコレクションが常に展示されている。2015年の秋には、休日にオフィスを一般公開する形で「オピー展」※1を開くという試みも行われた。同社の創業者であり、コレクションの持ち主でもある熊谷正寿氏※2が、アートを通して伝えたいことは何か。東京・渋谷にある同社の会議室フロア、その名も「GMOギャラリー」で話を聞いた。 | きっかけはアンディ・ウォーホルの《マリリン》 ―― 熊谷さんは、経営者であると同時に、現代アートのコレクターとしても知られています。アートに関心を持たれたきっかけ