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ブックマーク / at-akada.hatenablog.com (6)

  • ロナルド・ドゥオーキン「リベラルな国家は芸術を支援できるか?」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    美的理由について勉強するシリーズ。 →その1 その2 その3 原理の問題 作者: ロナルド・ドゥオーキン,森村進,鳥澤円出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/01/28メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る 『原理の問題』の9章に入ってる、国家による芸術支援に関する有名な論文を読んだ。 この論文では、国家が芸術と人文学に関して、どれだけ支援すべきなのかという問題を扱っている。前半では、(1)経済学的アプローチと(2)高尚なアプローチという二つのアプローチが検討され、どちらも退けられる。 経済学的アプローチ: 共同体において保持されるべき芸術の質は、共同体が芸術の保存のために支払うことを望む価格によって決定される。 高尚なアプローチ: 人々が望むものではなく、人々が持つに値する芸術を保持するべきだ。 経済学的アプローチは「市場に任せろ」、高尚なアプローチは「良い芸

    ロナルド・ドゥオーキン「リベラルな国家は芸術を支援できるか?」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
  • Noel Carroll, 穏健な道徳主義 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    Carroll, Noël (1996). Moderate moralism. British Journal of Aesthetics 36 (3):223-238. Beyond Aesthetics: Philosophical Essays 作者: Noël Carroll出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 2001/04/30メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 目次 序 過激な自律主義 穏当な自律主義 芸術的価値と道徳的価値の話が話題だったので、Evernote読書ノートからサルベージ。 芸術的価値は道徳的評価から自律しているか?というのはよく議論されるが、この論文は自律主義の批判で有名。最初のところでは、「自分の若い頃はニュークリティシズムの全盛で、芸術を道徳的に評価するなんてとんでもないという雰囲気だったが

    Noel Carroll, 穏健な道徳主義 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
  • 「キャラクタは重なり合う」は重なり合う - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    タイトルに特に意味はない。 少し前に「図像的フィクショナルキャラクターの問題」という論文を書いた。 『ハーフリアル』の翻訳も好評、きえいのゲーム美学者松永伸司*1が、先日フィルカル Vol. 1, No. 2掲載の論文「キャラクタは重なり合う」で、上記の論文を詳細に検討してくれた。エントリは、こちらの論文にリアクションすることを目的とするものだ。ただし、直接の反論というよりは、論文であまり敷衍できなかった論点などの補足が多い。 なお、少し前にシノハラユウキの『フィクションは重なり合う』でも、こちらの論文の内容をさらに応用し、作品批評の形で展開してくれている*2。元々私の論文自体、分析美学におけるフィクションの哲学や描写の哲学の問題をマンガ表現論や批評の文脈に接続することが狙いのひとつだったので、この種の試みは非常にありがたい。 ハーフリアル ―虚実のあいだのビデオゲーム 作者: イェスパ

    「キャラクタは重なり合う」は重なり合う - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
  • Dominic Lopes『コンピューターアートの哲学』 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    A Philosophy of Computer Art 今日ブックフェア「分析美学は加速する」で買った。まだ序文しか読んでいない。Lopesのはいくつか読んだが、どれも素晴しいものなので期待している。 (傑作しか書かない人という印象をもっている) そもそもコンピューターアートってなんだよという話だが、コンピュータをメディアとして利用する芸術という感じらしい。多分「メディアアート」と呼ばれるものの多くやビデオゲームなども含まれるのだろう。似た用語はいくつかあって、スタンフォード哲学事典には「デジタルアートの哲学」という項目がある。まあコンピューターアートなり、デジタルアートなどを扱った哲学文献がそこまでたくさんあるわけではないけれど。 序文はなかなか興味深い。コンピューターアートは新しい芸術形式であるため、それに関わる人は、いくらか哲学をせざるをえない。「芸術」「作品」「意味」といった概

    Dominic Lopes『コンピューターアートの哲学』 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
  • Lopes『視覚と感受性 - 図像を評価する』 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    Sight and Sensibility: Evaluating Pictures これは読まねばならない気がしたのでがんばって全部読んだ。ひどくおもしろかった。 分析美学における描写[depiction]の哲学は、主として図像がなぜ対象を表象できるのかという問いを扱うが、これは応用的な話題を扱うで、図像に対する価値評価が主題になっている。相互作用説「図像の美的評価は、図像の認知的評価や道徳的評価に対し、含意したり含意されたりする関係にある」が擁護される。図像の潜在能力を論じたでもあり、雰囲気や感情の表出、認知、道徳など、普通は見えないし描けないものを図像がどうやって表現し、それらが図像の美的評価といかにして絡み合うかを論じている。 恐しく射程の広いで、分析美学プロパーな細かい議論もたくさんあるが、美術批評や表象文化論の領域に積極的に乗り込んでいく。序文では、フレドリック・ジェイム

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  • Gatalo, 「感傷的芸術の問題」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    おひさしぶりです。 こないだ勉強会でレジュメを作成したので公開しておきます。 http://d.hatena.ne.jp/conchucame/20130502/p1 扱ったのは以下の論文です。 Gatalo, Nada, THE PROBLEM WITH SENTIMENTAL ART, Postgraduate Journal of Aesthetics, Vol. 5, No. 2, August 2008 ↓論文自体はwebで公開されています。 http://www.british-aesthetics.org/uploads/Nada%20Gatalo%20-%20The%20Problem%20with%20Sentimental%20Art.pdf ↓レジュメ https://docs.google.com/document/d/1_WviBhn6MPd9En25Wju0Gm

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