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ブックマーク / www.jstage.jst.go.jp (13)

  • 反出生主義の精緻化と〈生まれてこない方がよかった〉という嘆きのケアを考える

    論文は、反出生主義の精緻化を目指し、その上で切り捨てられることになる感情、特に〈生まれてこない方がよかった〉に注目し、そのケアも同時に目指したものである。反出生主義を「人間、場合によってはすべての有感生物から苦痛を取り除く思想」とし、現代反出生主義が感情の範疇である可能性と理性と論理だけで組み上げた反出生主義の冷酷さ示す。そして理性によって退けられる感情である〈生まれてこない方がよかった〉を3つの視点からケアする道を探っていく。その3つの視点とは「基的自尊感情」、「いるからいる」、「死にたい」へのケア方法の応用である。

  • ポリフェノール含有飲料による動脈管早期閉鎖が疑われた1例

    動脈管早期閉鎖(premature closure of ductus arteriosus:PCDA)の原因として母体への非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti- inflammatory drugs:NSAIDs)が知られているが,近年ポリフェノールも原因となることが報告されている.ポリフェノール含有飲料が原因と思われるPCDAが疑われた1例を経験した.症例は在胎37週3日,2,730gで出生した一絨毛膜二羊膜双胎第2子.生後2時間から酸素化不良を認め,その後も酸素需要が続くため日齢1にNICUに入室した.胸部X線,12誘導心電図で右室肥大が認められ,心エコー図では動脈管閉鎖,心室中隔の平坦化,心房間の右左短絡が認められ,PCDAが疑われた.妊娠中にNSAIDsの服用はなかった.あずき茶とルイボスティーを連日飲用していたことが判明し,PCDAの原因としてこれらに含

  • 冷凍米飯の品質に及ぼす炊飯後の冷まし工程と冷凍保存条件の影響

    調理における時間の短縮・簡略化の代表例として,米飯を冷凍保存し,電子レンジを用いて解凍する冷凍米飯が挙げられるが,アンケート調査により冷凍米飯の品質に不満を有している割合が高いことが報告されている。そこで研究は炊飯後に米飯を冷ます工程に着目し,冷まし工程終了時と電子レンジ解凍後の含水率,物性値さらには後の血糖値上昇度の指標となるeGI値を測定した。炊き立ての米飯の測定値を最も良い品質と仮定すると,冷まし工程を施さず,直ちに冷凍することで解凍後の含水率,かたさの全てにおいて炊き立ての数値と有意差がないことが分かった。また,冷まし工程を施す場合は冷まし工程時にラップで包装することで,炊き立ての品質に近い冷凍米飯を調製できることが示唆された。また,4種類の試料のeGI値は全て炊き立てと有意差がなかった。したがって,冷まし工程の有無に伴う米飯を摂取した際,後の血糖値の上昇に影響を与えないこと

  • 水の硬度が牛肉,鶏肉およびじゃがいもの水煮に及ぼす影響

    牛肉,鶏肉,じゃがいもを硬度の異なる水で水煮して,煮汁のミネラル成分含有量,破断強度測定,組織構造の観察,官能評価を行い,水の硬度が煮込み料理に及ぼす影響を調べた。硬水で牛肉,鶏肉,じゃがいもを水煮したところ,水中のCa,Mgがこれらに吸着した。KとNaは,軟水より硬水で多く溶出した。破断強度値は,牛肉ではエビアンを用いて120分水煮したものが有意に小さく,じゃがいもは硬水ほど大きくなった。エビアンで水煮した牛肉は,筋内膜および筋周膜と,筋線維束の分離が顕著であった。じゃがいもは,硬水で水煮するとでん粉の糊化が抑制され,細胞同士が凝集した組織構造になった。エビアンで水煮すると,肉はやわらかくなり,じゃがいもは軟水より硬くなったことから煮崩れが防げると推測でき,肉や野菜もする煮込み料理には,ある程度(硬度300程度)の硬度の水が適することが示された。

  • 顧客の名字がブランド選択に及ぼす影響

    人は,自身の名前に含まれた文字を,含まれていない文字に比べて好ましく評価する。この傾向はネームレター効果と呼ばれ,ブランド選択をはじめとする様々な意思決定にも影響を及ぼす。例えば,先行研究によると,Lで始まる名前の消費者(例えば,Lundy)は,他の文字で始まる名前の消費者(例えば,Thomas)に比べ,名前の頭文字が一致するLexusを購入する傾向がある。研究では,ブランド・ネームが漢字で表記されている場合,ネームレター効果がどのように生じるのかについて検討した。先行研究によると,漢字は聴覚情報ではなく,視覚情報として処理される。この言語的性質を踏まえ,漢字のネームレター効果は,ブランド・ネームと顧客の姓における表記(vs. 読み)の一致によって生じると予測した。総合胃腸薬の購買データを分析した結果,表記と読みが太田胃散と一致する太田姓の消費者は,読みのみが一致する姓(例えば,大田姓や

    laislanopira
    laislanopira 2024/01/12
    自分の名前と似ているブランドを思いつかないのでなんとも言えない
  • 「図鑑 日本のむかで」 — 本書の問題と解決すべき課題

    「図鑑 日のむかで」は史上最多種数の日産ムカデ類の画像を掲載した図鑑である.しかし,書には全160 ページの中に100 カ所を超える誤りがある.稿ではこれらの問題を説明し,部分的な解決案を提案するとともに,昨今の図鑑の倫理的誠実さの欠如に警鐘を鳴らす.また,和名の新称・改称を行い,和名の命名ガイドラインの必要性を論じた.

  • 審査のゆがみ:全日本吹奏楽コンクールを例に

    芸術競技において審査過程の公平性を確保することは重要な課題である.論文では,審査結果に意図せざる形で偏りが存在しているか否か,存在するとしたらどの程度影響を与えているのか,という問いに対して全日吹奏楽コンクールを事例として分析を行った.分析の結果,演奏順が後ろであればあるほど有利であるという “overall order bias” と,一つ前の演奏団体のパフォーマンスから影響を受ける “sequential order bias” が存在することが示された.

  • 「ライトノベル」が生まれた場所

    朝日ソノラマのソノラマ文庫は,自社の単行叢書の文庫化を企図して1975年に創刊を果たし,2007年まで存続した若年層向け文庫レーベルである.稿では,ソノラマ文庫の創刊から全盛期に至る1970~80年代を射程に,同文庫が「ライトノベルの一源流」と見なされる特質をどのように形成したのかを明らかにしていく.また,とりわけ1980年代後半の動向をもとに,ソノラマ文庫の戦略面における課題とは何かに焦点を当て,その考察を試みる.

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    laislanopira
    laislanopira 2021/04/29
    果たして六甲山は後世言われるほど劇的なはげ山だったのか、ハゲの部分ができたのは単なる管理の失敗だったのかそれとも持続可能な利用の範囲内だったのか
  • マインドフルネスは有害な行動にむすびつくか?――マインドフルネスと能動的攻撃の関連に対する危害/ケアの調整効果

    近年,マインドフルネスが効果をもたらすためには,他者に害を及ぼさず,思いやることを良しとする倫理(危害/ケア)を必要とする知見が提出されている。また,危害/ケアを欠いた場合,マインドフルネスが有害な結果をもたらす可能性が指摘されている。研究では,想定される有害な行動として能動的攻撃を取り上げ,マインドフルネスと能動的攻撃の関連に対する危害/ケアの調整効果を検討した。大学生179名を対象とした質問紙調査を実施し,階層的重回帰分析を行った結果,危害/ケアが低い場合,マインドフルネスが高いほど,能動的攻撃性が高かった。この結果より,マインドフルネスは危害/ケアが欠如した中では有害な行動にむすびつく可能性が示唆された。以上を踏まえて,今後の研究では,マインドフルネスにもとづく介入による有害事象の可能性を検証する必要性が示唆された。

  • しらす加工品に混入したフグ稚魚の種判別と毒性

    市販のしらす加工品にフグ稚魚が混入した事例が,2014年9月に多数報告され,商品の回収等が行われた.フグ稚魚の毒性に関する知見は少なく,フグ稚魚が混入したしらす加工品の安全性を評価するため,混入フグ稚魚の種と毒性を調べた.2014年7~9月に各地で製造されたしらす加工品17試料を用い,ミトコンドリアDNA 16S rRNA部分領域の塩基配列から種判別を行い,LC-MS/MS分析でテトロドトキシン(TTX)を測定した.遺伝子解析の結果,15試料はシロサバフグ,2試料がナシフグと判別された.シロサバフグ試料からTTXは検出されず(10 ng/g未満),ナシフグ試料ではTTXに相当するピークが検出されたが,定量下限値(30 ng/g)未満であった.

    laislanopira
    laislanopira 2020/01/10
    稚魚の毒性は極めて小さい
  • 日本における自尊感情の時間横断的メタ分析:得られた知見とそこから示唆されること

    自尊感情はこれまでの心理学の歴史の中で非常に多くの研究で取り上げられてきた構成概念のひとつである。近年では,多くの研究知見を統合するメタ分析が注目を集めている。その中でも稿では,平均値等の統計量をデータが収集された調査年ごとに統合することで,心理学概念の時代的な変化を検討する時間横断的メタ分析に注目する。小塩ほか(2014)は日で報告されたRosenbergの自尊感情尺度の平均値に対して時間横断的メタ分析を試み,自尊感情の平均値が近年になるほど低下傾向にあることを見出した。また岡田ほか(2014)は,近年になるほど自尊感情の男女差が小さくなる可能性を報告した。稿ではこれらの研究の背景と研究知見を紹介し,時代変化という要因を考慮に入れたうえで今後どのような研究の方向性が考えられるのかを展望した。具体的には,研究の継続性,検討する指標の多様性,行動指標への注目,関連性の変化への注目,社会

  • 現代美術家の作品コンセプト生成過程の解明

    The process of formation by an artist of an art concept for the production of a new series of artwork has not yet been empirically elucidated. The goal of this study is to describe the process of art concept formation by a contemporary artist through metrical analyses of a text corpus based on interviews with the artist. From an analysis of the frequency of occurrence of items of vocabulary in the

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