土佐清水市松尾の竜宮神社で10日、大漁祈願の「漁招き」が行われた。女性が着物の裾をめくって大事な所を見せ、神様にお願いするというどきっとする習わし。長年受け継ぐ同市以布利地区の女性たちはスカートの裾をめくり、沖に向かって「大漁ーっ!」と声を張り上げた。
新しい高知県史の編さんが進む中、1968~78年に刊行された旧県史(全10巻)の製作で参考にした古文書などの史料の所在を確認したところ、原史料(原本)を確認できたのは現段階で約2割にとどまることが県のまとめで分かった。個人保管の史料では、現在の所有者やありかを調べようがない事例も多数。多くの史料を保管する各市町村でも人材不足などで実態がつかみ切れていないといい、県史編さん室は「まずは現状を明らかにすることで、史料を守り伝える重要性を広く知ってもらいたい」としている。…
高知市の播磨屋橋。夏休みの観光客でにぎわう中、突如、てかてかと黒光りする欄干姿の2人組が現れた。 「高知は一年中、よさこいじゃ」「よっちょれよっちょれ。イェ~イ!」。鳴子を手に怪しく踊る姿に、周囲の目はくぎ付け。そのうち写真撮影を求める人がひっきりなしに集まってきた。 「はりまとやばし」。がっかり名所返上を目的に活動するご当地キャラだ。 活動を終えた「やばし」が、おもむろにかぶり物を脱いだ。「人に笑ってもらえるのって、やっぱりいい」。のぞいた笑顔に充実感がにじむ。 ◆ ずっと孤独だった。 小学生の時から、周りから浮いていると自覚していた。クラスメートの輪に入れず、授業にも集中できなかった。 「自分だけ別の世界にいるような感覚があった。他の人と何か違うな、と」 中学生になるとさらにコミュニケーションが苦手になった。唯一、周りとつながれたのが漫画を描いている時だった。 ただ、それはクラスメート
7月上旬の日曜日、「はりまとやばし」が播磨屋橋と日曜市を練り歩いた。「こんにちは~」。鳴子を打ち鳴らしながら近づくと、幼子は泣き叫び、大人は笑いながらスマホを向ける。大阪府からやってきた50代の女性観光客は「インパクトありすぎ。クセ強で目が離せません」と興奮気味だ。 キャラの「中の人」はいずれも同市内のカフェ店主、下尾仁さん(54)=はりま担当=と、お笑いパフォーマーの岡上(おかのうえ)雄也さん(35)=やばし担当。着ぐるみを手作りし、今年の正月から本格的に活動を始めた。 「はりまとやばし」は下尾さんが10年以上温め続けたキャラ。「がっかり」と言われ続けた怨念から生まれた双子の妖精で、見た目と裏腹に優しい心を持っている―という設定だ。 ツイッターなどSNSで発信を始めると、「衝撃的なビジュアル」「怖いけどかわいい」とすぐに反響を呼んだ。二人は「想像以上に皆さんが温かく受け入れてくれている」
国有地の不透明な値引き売却が問われている「森友問題」を巡り、元財務省近畿財務局職員の赤木俊夫さん(享年54)が自殺して3年が過ぎた。妻、雅子さん(50)は公文書の改ざんを強いられた夫の死の真相を求めて、国と佐川宣寿・元国税庁長官を相手に裁判を闘っている。俊夫さんが改ざんの経過をまとめた文書「赤木ファイル」の公開を求めていた雅子さんに対し、国は提訴から1年以上たった今月、ようやくファイルの存在を認めた。真実はどこまで明らかになるのか。雅子さんに話を聞きたいとコンタクトを取ると、雅子さん自ら高知へ来ると返答があった。問題への理解を広めようと全国への旅を始めるという。俊夫さんの素顔や自身の心境を約2時間にわたって語った。 夫の「トッちゃん」と出会ったのは1994年12月。私は地元岡山の高校を卒業し、倉敷市の薬局に勤める23歳でした。職場の先輩が夫と同じ書道教室に通っていて、「あなたにぴったり」と
全国的な新型コロナウイルスの感染拡大を受けて高知県は27日、「県民の皆様へのお願い」として、飲み会での返杯・献杯を当面、自粛するよう呼び掛けた。県健康長寿政策課は「高知の文化ではあるが、感染リスクをできるだけ減らす観点から」と説明している。 新型コロナウイルスは飛沫(ひまつ)や接触によって感染するため、同じ杯を酌み交わす返杯・献杯はリスクが高いという。…
高知県立大学(野嶋佐由美学長)が、永国寺キャンパスの図書館が昨春新設される際、旧館よりも建物が小さいため全ての蔵書を引き継げないとして、約3万8千冊に及ぶ図書や雑誌を焼却処分にしていたことが8月16日までに分かった。中には戦前の郷土関係の本をはじめ、現在は古書店でも入手が難しい絶版本、高値で取引されている本が多数含まれている。焼却せずに活用する方策をなぜ取らなかったのか、議論になりそうだ。 新図書館の狭さ理由 同大によると、焼却したのは3万8132冊(単行本や新書などの図書2万5432冊、雑誌1万2700冊)。2014~16年度中に断続的に13回に分けて、業者に委託して高知市の清掃工場に運び込み、司書らが立ち会う下で焼却したという。 焼却した図書2万5432冊のうち、複数冊所蔵している同じ本(複本)を減らしたのが1万8773冊。残りの6659冊は複本がなく、今回の焼却で同大図書館からは完全
旧日本陸軍の荒木貞夫大将ら4人のA級戦犯(いずれも故人)が自らの戦争責任などについて語ったラジオ番組の音源が、このほど見つかった。番組の中で4人は「敗戦はわれわれの責任ではない」「戦争中にあったことをいつまでもグズグズ言うのは間違いだ」などと述べている。番組のプロデューサーだった水野繁さん(92)=奈良市=は高知新聞の取材に「憲法改正を望むなど4人の姿勢は、今の安倍(晋三)内閣に相通じる点がある。国民の置かれていた状況が戦前と同じになっていないか、危惧している」と語った。 【写真】ラジオ番組「マイクの広場 A級戦犯」のプロデューサーを務めた水野繁さん。「民主主義にとって大切なものは何か考えてほしかった」(大阪市北区) 番組は「マイクの広場 A級戦犯」で、約30分間。関東地方をエリアとするラジオ局・文化放送(東京)が1955年に録音し、56年4月に放送した。音源は最近、水野さんが知人から託さ
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