2019年9月25日、東武東上線にトラブルが次々と起こった。人身事故やシカの衝突といった出来事が同日に発生。そのうえ「運行管理システム」まで不具合を起こした。原因は排他制御のバグで、導入19年目に初めて顕在化したものだった。影響は約5万4000人、遅延は最大6時間14分に及んだ。 「運転再開を見込んでおりません」。2019年9月25日、東武東上線成増駅の掲示板に出ていた文言がツイッターで大きな話題となった。 この日、東武東上線はダイヤの大幅な乱れにより、沿線各駅の構内は電車に乗れなかった人々であふれかえっていた。普通は「運転の再開時刻は未定です」などと赤い字で書かれた案内が出るが、成増駅では冒頭のように風変わりな表現となってしまった。運転再開の見通しが立たないことによる混乱ぶりがうかがえる。 東武東上線は同日、池袋-小川町駅間で運転を見合わせ、上下線で合計103本が運休。午後に最大で6時間
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