人類を誕生させたのは地球外から飛来してきた謎の宇宙飛行士だったのか──。人気の理論「古代宇宙飛行士説」をテーマとした本『もう一つの起源を求めて』(未邦訳)をフランス社会学高等研究院の人類学者ヴィクトル・ストチコフスキーが上梓した。 そのストチコフスキーに仏誌「ル・ポワン」が、聖書から異星人の飛来まで、天地創造に関する主要な物語がなぜ強い影響力を持ち続けるのかを聞く。 「神話」と「歴史」が語るもの ──フランスの文化の伝統では人類の起源に関する主要な物語は何ですか。 広く伝わっているいくつかの物語のなかから3つだけ挙げます。最も古いのが聖書の『創世記』です。そこでは天地がいかに創造されたかが描写されています。最初の人類が楽園で平和に暮らしていた後に、原罪を犯し、エデンの園から追放され、一生、呪われた地で労働に苦しみながら、地からわずかな食物をとることになった話が書かれています。 18世紀にな