赤穂市民病院(藤井隆院長)の脳神経外科に在籍していた男性医師(43)の手術で2019年7月以降の約8か月間にレベル4(事故による障害が一生続く場合)の医療過誤(過失のある医療事故)1件を含む計8件の医療事故が相次ぎ、医療過誤の被害患者と家族から赤穂市と男性医師に対する損害賠償請求が提訴された問題。 なぜ、同じ医師が事故を繰り返すのを止められなかったのか。これまでの取材から浮かび上がってきた病院の隠蔽体質や疑惑など数多くの問題点を2回に分けて報じる。 * * * 遅きに失した手術禁止命令 病院は8件の事故の発生時期を明らかにしていないが、訴状によれば、医療過誤が起きた2020年1月22日の手術までに男性医師の執刀により、すでに4件の医療事故が発生していたという。そして、その後2月末までにさらに3件の医療事故が続いた。病院は3月1日にようやく男性医師の手術を禁止した。 赤穂民報が入手した赤穂市