2006年9月9日付の米紙「ロサンゼルス・タイムズ」に同紙のスタッフライターであるマーク・マグナイヤー記者の「犬のジョークを抹消する」という表題のコラムが掲載されていた。コラムの内容は、中国の村人たちが“侮辱的な連想を抱かせる姓”から、“敬われる姓”に変えることに成功したというもので、興味を覚えた筆者は全文を読んだ。だが、残念ながら英文では漢字の味わいが表現できず、面白みがいま一つというのが偽らざる感覚だった。 そこで、早速記事の発信地として記載されていた“Shimengou, China”をヒントに場所の特定を行い、それが陝西省商絡市沙河子鎮石門溝村(石門溝=Shimengou)であることを突き止め、マグナイヤー記者が取材した事の顛末を確認することができた。 「敬」から「苟」にせよ! 中国の歴史で「五代十国」時代は、唐末に起こった「黄巣の乱」に乗じて反乱軍から唐に寝返った朱全忠が唐を滅ぼ
