シンガポールと香港が、アジアにおけるクラウドコンピューティングの中心地「クラウドハブ」になりつつある--。すでに米アマゾン・ウェブ・サービシズや米セ ールスフォース・ドットコム、米マイクロソフトといった大手クラウドサービス事業者が、日本を含むアジア向けのサービスをシンガポールや香港のデータセンターから提供している(表1)。 KDDIやNTTコミュニケーションズ、富士通といった日本のITベンダーも、シンガポールや香港のデータセンターの増強を進めている。ソニーやヤマハ発動機、日本通運といったユーザー企業も、自社内のクラウドハブにするために、アジア地域のデータセンターを両都市に集約している。 IT調査会社である英オーバムのシニアアナリストであるクラウディオ・カステーリ氏は、データセンターとネットワークが両都市に集まる状況を、車輪の軸(ハブ)に例えてこう評する。「アジアにおける『クラウドハブ』は、