※本記事は2017年11月21日に公開したものです。 株式と債券など複数の資産クラスを含むファンドを『バランスファンド』と呼ぶ。バランスファンドは、投資信託などで古くから商品化されており、歴史は長い。実は、筆者は、投資信託のファンドマネージャーになったときに最初に担当したファンドはバランスファンドだった。運用者にとって、バランスファンドの運用は楽しい仕事だ。株式と債券のそれぞれで、そしてアセット・アロケーションでと、取り得る戦略の選択肢が広いからだ。 しかし、月日が経って、今日、個人投資家の立場でバランスファンドについて考えると、正直、バランスファンドは個人投資家にとって良い運用対象だと思えない。投資について、本を書いたり、講演で話したりする人達の間では、筆者は「バランスファンド嫌い」だと認識されているようだ。もとより、他人に対する運用のアドバイスは、好き嫌いを根拠に行うべきものではない。