亀石倫子さん(弁護士) 柳瀬氏の話を聞いて感じたのは、官邸での面会に関する様々な文書が出てきて、認めざるを得ない部分は認めつつ、それ以外の点については「記憶にない」と逃げ、安倍首相からの指示や首相への報告といった点については強く否定する、という方針に基づいて、周到に調整された答弁だということです。 弁護士になって9年間で、二百数十件の刑事事件の弁護を担当、否認事件のうち3件で無罪判決を勝ち取りました。経験から学んだのは、「記憶にない」と答える人には、本当に記憶がない人もいますが、言い逃れの場合もあるということでした。 本当に記憶がない人には、記憶の喚起のため関連する書面や証拠物などを示すと多くは思い出します。しかし、言い逃れ目的の人の場合、若干尋問の技術が必要です。 例えば、答えられないはずがない周辺の事実を一つずつ質問して答えさせて、それらは記憶しているのに、核心部分の事実だけ記憶してい
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