<光のない洞穴に適応して目が皮膚に埋もれているウーパールーパーの一種のホライモリが、7年間にわたって観察された......> ウーパールーパーの一種である両生類のホライモリは、東欧ディナル・アルプス山脈の洞窟で生息する、既知で最大の洞穴性の脊椎動物だ。 ほとんど光のない洞穴に適応し、視覚は発達せずに目が皮膚に埋もれている一方、聴覚や嗅覚、電気感覚、磁気感覚に優れている。また、洞穴は食料が乏しいため、代謝が遅く、代謝の遅さゆえ、寿命が極めて長く、100年に達するものもいる。 洞穴には外敵が存在せず、身を守るために逃げる必要がない ハンガリーのエトヴェシェ・ロラーンド大学の研究チームは、2010年から2018年にかけて、ボスニア・ヘルツェゴビナ南部トレビニェの洞窟で生息するホライモリの成体26匹に個体を識別できるタグをつけ、行動範囲を観察した。一連の研究成果は、学術雑誌「ジャーナル・オブ・ズー